2004 Fiscal Year Annual Research Report
構造変化を含む定常・非定常経済時系列分析に関する研究
Project/Area Number |
14330005
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前川 功一 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (20033748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 宏 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 助教授 (90292078)
久松 博之 香川大学, 経済学部, 教授 (90228726)
ティー キャン・ヘーン 京都大学, 経済研究所, 客員助教授 (70325140)
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Keywords | Normal Inverse Gaussian分布 / Generalized Hyperbolic / 株価収益率 / 日経225 / ジャンプ拡散過程 / Bipower test / 構造変化 |
Research Abstract |
(1)株価収益率において収益率分布に現れる非対称性、高尖峰度、ファットテールなどの特徴を良く捕らえるとされている種々の分布の中からNormal Inverse Gaussian分布(以下NIG分布)、とGeneralized Hyperbolic分布(以下GH分布)の適合度の検証を行った。どちらも正規分布より適合度がよいことが示された。日経225に含まれる株価データにNIG分布を適用したモデルから算出されるオプション価格(P1)と古典的なブラック・ショールズの公式によって算出されたオプション価格(P2)とを、実際に東証1部市場で観測された市場価格(P3)に対して比較を行い、P1ほうがP2よりP3により近いことが示された、NIGモデルが現実をよりよく説明していることが実証された。 (2)株価収益率の分布が正規分布より裾野が広いNIG分布やGH分布のあてはまりが良い理由として、株価過程がジャンプを含むことが一つの理由として上げられる。今年度は、ジャンプを広い意味で構造変化と捕らえ、株価過程のジャンプを研究した。ジャンプの存在を検出するためにBarndorfF-Nielsenらの提案したBipower testを用いて日経225の株価デーを検証した。その結果、約半数近くの株価過程はジャンプを含むことが実証された。Bipower testを逐次的に応用することによってジャンプ有無だけで無くジャンプの時点を推測する方法を提案し、円・ドル為替レートのジャンプの時点を推測した。 (3)ウェーブレット法を応用して株価課程の変動を分解できることを示し、株価分析におけるこの方法の有効性を示した。 (4)Cusmu testを応用したARCHモデルの構造変化の検定法を提案し、その検定の理論的特性を明らかにした。またこのテストを現実のデータに応用し実用上の有効性を示した。
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Research Products
(4 results)