2002 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの生産性、産業構造変化と経済成長についての理論的・実証的研究
Project/Area Number |
14330012
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
若杉 隆平 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (80191716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩路 悦朗 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 助教授 (50301180)
古澤 泰治 横浜国立大学, 国際社会社会科学研究科, 助教授 (80272095)
秋山 太郎 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40167854)
清田 耕造 横浜国立大学, 経営学部, 講師 (10306863)
奥村 綱雄 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 助教授 (90323922)
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Keywords | 東アジア / マイクロデータ / 直接投資 / 貿易 / 生産性 / フラグメンテーション / 成長 |
Research Abstract |
(1)タイ製造業の事業所レベルのマイクロデータを用いて、外資の株式保有構造、国際貿易、技術を体化した資本が、熟練労働と未熟練労働の相対需要に対して与える効果を分析した。その結果、(1)いくつかの産業において、外国多国籍企業の事業所はタイ企業よりも熟練労働への相対需要が有意に大きい、(2)熟練労働への相対需要は輸出性向と有意な負の相関がある、(3)熟練労働への相対需要は、資本のうち事務所設備とは有意な正の相関があるが、機械とは有意な負の相関があるこという結果を得た。この結果は多国籍企業の技術はskill-biasedであり、また機械は未熟練労働へバイアスを持った技術を体化している可能性があることを示唆している。 (2)日本企業の企業レベルのマイクロデータを用いて、アジア諸国への直接投資と国内におけるR&D活動との関係について分析を行った。その結果、(1)国内におけるR&D活動が盛んな企業ほど直接投資が多い、(2)国内におけるR&D活動は、アジア諸国と先進国の直接投資のどちらにも正の効果があるが、先進国への直接投資に対して与える効果の方が数量的にははるかに大きい、(3)熟練のようなintangibleな資産を多く持つ企業の方が、投資対象企業の過半数株式保有を好む傾向がある、という結果が得られた。これらの結果は理論的な予想と整合的であった。 (3)東アジアにおけるサービス貿易について実証研究を行ない、(1)多くのサービス貿易が実際には財の貿易に体化されており、統計上は多くのアジア諸国においてはサービス貿易の収支は赤字であるが、この体化されたサービス貿易を考えるとサービス貿易の収支は黒字になる、(2)サービス貿易の決定要因の分析により、サービス貿易はHO理論では説明できない場合が多い、という結果が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 木村福成, 清田耕造: "企業活動のグローバル化と企業パフォーマンス:『企業活動基本調査』にもとづく分析"経済統計研究. 30(2). 1-12 (2002)
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[Publications] Eiichi Tomiura: "Capacity Constraint and Changing Seasonality over Business Cycles : Evidence from Plant-level Production Data"Economics Letters. Vol.76, No.1. 115-120 (2002)
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[Publications] Eiichi Tomiura: "Capacity Constraint and Seasonal Productivity Variations at the Plant Level"Applied Economics Letters. (近刊).