2004 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーション下のHuman Developmentと新たな公共性の構築
Project/Area Number |
14330013
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
二宮 厚美 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80093491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今谷 順重 神戸大学, 発達科学部, 教授 (60093639)
和田 進 神戸大学, 発達科学部, 教授 (30116272)
山崎 健 神戸大学, 発達科学部, 教授 (20158132)
浅野 慎一 神戸大学, 発達科学部, 教授 (40202593)
岡田 章宏 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70185429)
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Keywords | グローバリゼーション / 公共性 / Human Development |
Research Abstract |
本研究は今年度が最終年度であるため、これまでの研究成果を踏まえたまとめの段階となった。具体的には、(1)これまでの2年間で蓄積したグローバリゼーションに関する研究をさらに推進し、特にインドを中心としたフィールドワークと在日中国人留学生・実習生の状況について補充調査を行なうとともに、地域構造の変化を追検証した。さらに昨今の国際情勢の構造的変化をにらみつつ、今年度においてグローバリゼーションのメカニズムと弊害を批判的・立体的に把握するに至った。このようなグローバリゼーションに関する認識を前提として、(2)特にグローバリゼーションに対抗し得る新たな公共性の可能性について、昨年度までの歴史的・理念的研究を踏まえて労働市場および政治的公共性の両面から検討を加えた。その結果として、特にいわゆる信自由主義と公共的責任との関連に焦点を置いた形で一定の構想を提示するよう試みた。そしてこれに対応するものとして、(3)グローバリゼーションという基盤との関連から現代におけるHuman Development(人間発達)の理念を捉え返し、一つの方向性を示そうと試みた。特に批判的な検討がなされたのはアマルティア・センのCapabilityの概念と国連報告の人間発達の概念である。これらとの批判的応答を通じ、最終的には(2)で述べたような新たな公共性と人間発達との構造的な相補性が明らかとなった。すなわち、公共性を構築するための人間的前提の必然性と、人間が十全に発達するための不可避的な環境としての公共性、という把握である。
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Research Products
(44 results)