株価指数の再検討と新指数の設計―行動論的企業財務論の立場から―

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14330033
• Research Institution: Hitotsubashi University
• Principal Investigator: 花枝 英樹 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (50103693)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 宮川 公男 麗澤大学, 国際経済学部, 教授 (60017473) ; 芹田 敏夫 青山学院大学, 経済学部, 助教授 (80226688) ; 木村 由起雄 目白大学, 人間社会学部, 教授 (20327109) ; 広田 真人 東京証券取引所, 広報部, 主任調査役
• Keywords: 株価指数 / ダウ式株価指数 / 時価総額方式株価指数 / 日経平均株価 / 東証株価指数(TOPIX) / MSCI株価指数 / Dow Jones Industrial Average / S＆P500

Research Abstract

本年度は共同研究初年度として、各種株価指数の特徴と問題点の調査検討を行った。代表的な株価指数算式方法としては、ダウ式と時価総額方式があるが、それぞれの特徴と問題点の把握に努めた。その一環として、わが国日経平均株価の2000年4月における大幅な銘柄入れ替えにともなう問題点についても調査検討を行った。本年度の研究実績の概要は以下の通りである.
(1)定期的な研究会及び研究合宿を開催
毎月1回のペースで研究会を開催し、株価指数作成機関及び、株価指数を活用する機関投資家、企業の財務担当者を中心に講師を招聘し、株価指数に関するヒヤリングとディスカッションを行った.また、以下で述べるアンケート調査の質問項目の検討のために、集中的な研究合宿も行った。
(2)米国の株価指数作成機関への聞き取り調査
米国の株価指数作成機関3社を訪問し、各社の指数作成責任者と議論・討議を行った。訪問先企業は、Dow Jones、Standard&Poor's、Morgan Stanley Capital Internationalである。議論・討議内容は、ダウ式株価指数、S&P500株価指数、MSCI株価指数に関してと、わが国日経平均株価の2000年4月における大幅な銘柄入れ替えにともなう問題点についてである。また、同出張中に、ハーバード・ビジネス・スクールのRobin Greenwood教授と、我々が作成したWorking Paperをもとに議論を行う機会を得た。
(3)アンケート調査
「株価と企業財務に関する実態調査」として、平成15年の2月から3月にかけ、わが国上場企業3千社以上を対象に株価政策に関するアンケート調査を行った。調査の目的は、株価に対する意識、配当政策、自社株買い、株式分割、株式売買単位変更などに関するわが国企業の考え方・方針を明らかにすることにある。アンケートの回収に3月いっぱいかかるので、回収結果の分析は次年度に行う予定である。