2002 Fiscal Year Annual Research Report
ハリシュ-チャンドラ加群に付随した等方表現とべき零軌道理論
Project/Area Number |
14340001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山下 博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30192793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 次郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (30117717)
齋藤 睦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70215565)
吉田 知行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30002265)
落合 啓之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90214163)
西山 享 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (70183085)
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Keywords | 半単純リー群 / エルミート対象空間 / べき零軌道 / 無限次元表現 / ハリシュ-チャンドラ加群 / 等方表現 / ユニポテント表現 / ユニタリ最高ウェイト加群 |
Research Abstract |
本課題研究では,実半単純リー群の無限次元既約許容表現に対応するリー代数上のハリシュ-チャンドラ加群について,そのべき零不変量や一般化Whittaker模型との間の相互関係を深いレベルで明瞭に解き明かす表現理論を創るために,随伴サイクルの重複度を定める等方表現に焦点を絞って,ハリシュ-チャンドラ加群に対するべき零軌道理論を追求することを研究の主目標としている.本年度はユニタリ最高ウェイト加群や特異ユニポテント表現など,既約な随伴多様体をもつ重要なハリシュ-チャンドラ加群に対し,勾配型不変微分作用素の主表象写像を用いて,等方表現および随伴サイクルを具体的に特定・記述する研究を実施し,以下に述べる研究実績をあげた. 1.エルミート型実単純リー代数の特異ユニタリ最高ウェイト加群に対ずる等方表現を,PRV-成分への直交影作用素を用いて具体的に特定した.特に,例外型EVIIの場合を含めて,対応する等方表現はすべて既約になることを発見した.この成果は,安定域にあるコンパクトなデュアルペアに関するハウ対応の一般化を与えるものとして極めて重要であり,研究代表者山下と分担者和地との共著論文に現在取り纏め中である. 2.さらに研究代表者は,等方表現と特異ユニポテント表現のテンソル積の分解との間に深い繋がりがあることを見出した.特に,EVII型実単純リー代数の場合に,ワラック表現のテンソル積の既約分解をとおして,階数1のコンパクト対称空間(8次元球面,ケーリー射影平面)上の調和解析と等方表現の間の関係を明らかにした. 3.各研究分担者は,各自の課題研究が深く関わる上記の研究1.,2.の過程で,セミナーや研究打合せをとおして本研究に常時参画した.なかでも,西山はユニタリ最高ウェイト表現のテータ持ち上げに対する随伴サイクルを記述した.また,山下と西山は,2月17日-22日の期間,「べき零軌道と表現論(NORTh)」に関する研究連絡会を北海道大学で企画・開催し,研究組織のメンバーを中心として,関連する研究について討論と研究発表を集中して行った.同時に,次年度以降に研究計画に向けての準備態勢も整った.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Akihito Wachi: "Capelli type identities on certain scalar generalized Verma modules II"J. Math. Soc. Japan. 55(印刷中). (2003)
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[Publications] Keiji Matsumoto: "Invariants for some real hyperbolic groups"Internat. J. Math.. 13. 415-443 (2002)
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[Publications] Jiro Sekiguchi: "Mapping of nilpotent orbits under embeddings of real forms of exceptional complex Lie algebras"Asian Journal of Mathematics. 6・3. 409-432 (2002)
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[Publications] Hiroshi Yamashita: "Isotropy representation and projection to the PRV-component"数理解析研究所講究録. 1294. 62-71 (2002)
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[Publications] Hiroyuki Ochiai: "Multiple trigonometry and zeta functions"J. Ramanujan Math. Soc.. 17・2. 101-113 (2002)