2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340016
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
栗原 将人 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40211221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 克哉 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20023632)
中村 憲 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (80110849)
川崎 健 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40301410)
松野 一夫 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40332936)
倉田 俊彦 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40311899)
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Keywords | 岩澤理論 / 岩澤主予想 / 岩澤加群 / イデアル類群 / Fittingイデアル |
Research Abstract |
岩澤理論の中心をなす岩澤主予想を、古典的なイデアル類群の場合で述べると、アーベル体Kの円分Z_{p}拡大K'のイデアル類群のp成分(岩澤加群)Xについて、その奇指標成分をK'/KのGalois群の作用をこめて考えたときの特性イデアル("岩澤作用素"の特性多項式で生成されるイデアル)がp進L関数で生成される、というものである(この予想はMazurとWilesのよって肯定的に解決されている)。すなわち、イデアル類群という代数的対象と、p進L関数というp進解析的対象との間の深い関係が岩澤主予想である。われわれは、広い意味でのp進L関数が特性多項式や位数以上の細かい情報を持っていると考え、次のような岩澤主予想の精密化を得ることに成功した。上のような岩澤加群の特性イデアルは、0次のFittingイデアルに一致する。われわれは、Xの高次のFittingイデアルも、p進ゼータ関数から作られるいくつかのべき級数で決定することを、上よりもう少し一般の条件の下で証明することができた。この結果を有限次代数体Kに落とすと、前年度に得られていたイデアル類群の構造定理(Kのイデアル類群の奇指標成分のGalois加群の構造がゼータ関数起源のもので完全に決定する、という定理)が自然に得られる。すなわち、われわれの定理はRubin Kolyvaginの定理の岩澤加群への一般化である。p進ゼータ関数は実際に計算可能なので、数値計算で岩澤加群の構造を決定できる例もたくさんある。この定理の証明の過程で、Kolyvagin系(MazurとRubinによって最近考えられた新しい元の系列)というアイディアをMazurとRubinが考えているよりも少し違う文脈で考え、ゼータ関数の値と直接結びつくような美しい性質をもつKolyvagin系を構成したことが、最も重要なことであった。また、上で述べたようなイデアル類群の構造定理が、一般の条件の下では、成り立たたず、修正が必要なことも証明した。
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Research Products
(4 results)