2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340019
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 佳三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00113639)
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127422)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50176161)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
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Keywords | Floerホモロジー / シンプレクティック構造 / 接触構造 / 特異点 / 擬正則曲線 |
Research Abstract |
シンプレクティック幾何におけるFloer理論について理論整備と応用の両面の研究を行った。シンプレクティック微分同相写像のFloer理論は,1990年代半ばの深谷-小野の研究により構成され,ハミルトン的であるとは限らないが,シンプレクティックに恒等写像とアイソトピックになる場合の計算についてもフラックスが小さい場合にはハミルトン的である場合と類似の事が成立することもLe-小野の研究で判っていた。この理論がフラックス予想と呼ばれる予想,即,フラックス群が1次元コホモロジー群の中で離散的であることを証明することに応用できることに気付き,論文としてまとめた。その副産物としてシンプレクティック微分同相写像の不動点の個数について知られている結果の拡張を得た。 一方,ラグランジュ部分多様体に対してはFloerコホモロジーの構成には障害があり,一般にはフィルター付A_∞-代数,フィルター付A_∞-双加群なるものが構成される。このような理論は深谷-Oh-太田-小野の共同研究で建設されているが,その細部を書き上げる作業を続けている。現在800ページ強の草稿となり,出版できる形にすべく点検をしている。種々の作用素を構成する際の横断性は,微分位相幾何の中枢に関わることである。またこの理論を用いてマスロフ指数の非自明性を示すことや,上記のフラックス予想のラグランジュ部分多様体版が然るべき条件下で成立することなどの応用も研究した。 複素曲面の孤立特異点をそのリンクの接触構造から研究することを太田-小野は行ってきたが,最も基本となる単純特異点についての論文を求めに応じて加筆し,専門誌への掲載にこぎつけた。
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Research Products
(7 results)