2002 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系現象の異常検出とモデル導出の時系列解析と導出したモデルの確率過程論的研究
Project/Area Number |
14340030
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 靖憲 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30028211)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50168431)
室田 一雄 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
柳川 堯 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80029488)
松浦 真也 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (70334258)
堀田 武彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (90222281)
|
Keywords | KM_2O-Langevin equations / non-linear information analysis / generating system / non-arbitrage pricing for option / stationarity test / abnormality test / fluctuation-dissipation theorem / from data to model |
Research Abstract |
退化した確率過程に対するKM_2O-ランジュヴァン方程式論と離散時間の確率過程の非線形情報空間に付随する任意の生成系を用いて、二つの離散時間の確率過程に対する非線形推定を求める公式を求めた。それを具体的な信号過程と観測過程からなる非線形なシステムに応用して、Kalman-Bucyの研究以後未解決であった非線形推定問題を非線形推定子を計算するアルゴリズムを求める形で解決した。そこで得られたアルゴリズムを実際に数値計算する方法を開発する問題が次の課題である。 時系列データの異常性を定常性の破れと定義して、KM_2O-ランジュヴァン方程式論に基づく時系列データの定常性の検証Test(S)と離散時間の確率過程の非線形情報空間に付随する多項式型の生成系を用いて、時系列データの異常性の兆候を検出する異常性の検出Test(ABN)を提唱した。特に、経済現象における株価の異常性を示す恐慌(ブラックマンディ・アジア危機・ITバブル)に適用して、Test(ABN)が有効であることを実証した論文を昨年発表した。 Test(ABN)を地震波の時系列データに対して適用して、P-波とS-波が到達する前の前兆を検出できるかについての実験を行い、可能性がある結果がでている。今後、さまざまな地震波の時系列に対しても実験を行い、Test(ABN)の基準を統計学的観点より強化にして、信頼性の検証方法を確立するのが今後の課題である。 最近日本では、深部低周波地震のS-波がきてからの低周波の構造が通常の地震波の構造とは異なる点から、多くの地震研究者・火山研究者が興味を持ち、精力的な研究が行われている.KM_2O-ランジュヴァン方程式論における多項式型の生成系を用いた定常解析と決定解析を通常の地震波の時系列データと深部低周波地震の時系列データに適用することによって、「低周波」の特徴の一端を捉えることに成功した.
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Yasunori Okabe: "On a method of detecting certain signs of stock market crashes by non-linear stationarity tests"International Journal of Pure and Applied Mathematics. Vol.3 No.4. 443-484 (2002)
-
[Publications] Maciej Klimek: "A geometric proof of the fluctuation-dissipation theorem for the KM_2O-Langevin equations"Hokkaido Mathematical Journal. Vol.31 No.3. 615-628 (2002)
-
[Publications] Takehiko Horita: "Singularities in the fluctuation of on-off intermittency"Physical Review E. 65巻. 056217 (2002)
-
[Publications] Masaya Matsuura: "On the theory of KM_2O-Langevin equations for non-stationary and degenerate flows"Journal of Mathematical Society of Japan. Vol.55. 1-41 (2003)
-
[Publications] Kazuyuki Aihara: "Possible neural coding with inter-event intervals of synchronous firing"Physical Review E. 66巻. 026212 (2002)
-
[Publications] Akihiko Inoue: "Asymptotic behavior for partial autocorrelation functions of fractional ARIMA processes"Ann.Appl.Probab.. 12巻. 1471-1491 (2002)
-
[Publications] 岡部 靖憲: "時系列解析における揺動散逸原理と実験数学"日本評論社. 362 (2002)
-
[Publications] 岡部靖憲: "確率・統計"朝倉書店. 273 (2002)