2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユニタリ表現の分岐則の理論と幾何構造の変換群による非可換調和解析
Project/Area Number |
14340043
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 俊行 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80201490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
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Keywords | ユニタリ表現 / シュレーディンガーモデル / 擬リーマン多様体 / ベッセル関数 / 分岐則 / リー群 / 重複度 / 極小表現 |
Research Abstract |
1.群のユニタリ表現を部分群に制限したときにどのように分解する様子を記述するのが分岐則の理論である。簡約リー群の分岐則について、その離散スペクトラムに重点をおいた基礎理論と、表現論・非可換調和解析・局所等質空間のトポロジーなどへの応用に関して、研究代表者によるHarvard大学での講義およびEuropean Schoolでの講義に基づいた解説文に、いくつかの新しい結果を加筆し、最終版をまとめた(文献[8])。 2.研究代表者はOrstedとの共同研究で不定値直交群O(p,q)の極小表現を光錐の二乗可積分関数の空間の上に構成した(文献[7]他)。この構成法をさらに追求するため、q=2の場合に絞り、複素化O(p+q,C)に含まれる複素半群の表現の具体的表示を研究した。特に複素半群の境界値として反転公式が変形Bessel関数で表されることを証明した(真野元氏との共同研究)。これは、「メタプレクティック群の極小表現であるWeil表現をシュレーディンガーモデルとしてL^2(R^n)に実現したとき、反転がFourier変換で与えられ、それはHermite半群の境界値になっている」という事実の一般化を与える。系として、古典的なFourier-Besselの再帰公式やWeberの積分公式に群論的な新しい意味を見出した。結果の一部は文献[3,7]で発表した。 3.重複度1の分岐則についての複素解析的な立場からの定式化を行い、種々に分散している無重複度表現の例を統一する新しい考え方を提唱した。得られた結果の一部は文献[5,6]で発表した。 4.中華人民共和国、オランダ、デンマーク、チュニジア、韓国、日本における国際研究集会で上記の成果を講演した。 5.京都大学数理解析研究所でLie Group and Representation Theory SeminarおよびWorking Seminar on Integral Geometryのセミナーを定期的に主催し、活動的な研究者による創造に接する場を設けた。
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Research Products
(10 results)