2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
薩摩 順吉 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70093242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時弘 哲治 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10163966)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
矢野 公一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60114691)
太田 泰広 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10213745)
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Keywords | ソリトン / 可積分系 / パンルヴェ方程式 / 差分方程式 / 離散力学系 |
Research Abstract |
本研究は「離散型非線形方程式に対して特異性閉じ込め条件の数学的構造を解明すること、完全離散系であるセルオートマトンにその概念を拡張すること、および離散型可積分系のもつ代数的・幾何的構造を解明すること」を目的とし、それに関して本年度は以下の研究成果を得た。 1.疫学におけるSIRモデルを拡張した系について、対応する微分方程式およびその離散版・完全離散版を提出し、具体的な数値計算により拡張の妥当性を検証した。これらの結果は非可積分系に対する超離散化について一定の知見を与えるものである。 2.超離散サインゴルドン方程式を提案し、それがソリトン的な解を持つセルオートマトンとなることを示した。この結果は、可積分系の場合、連続系と超離散系の解に密接な関係があることを示すものである。また、用いた手法が他のソリトン方程式にも適用可能であることを示したが、それらの結果については現在論文を投稿中である。 3.周期的な超離散系について、解の基本周期を組み合わせ論的な手法によって厳密に決定するとともに、保存量を具体的に構成するアルゴリズムを与えた。また、それらの保存量とこれまで得られていた対応する連続系の保存量との対応関係を明らかにした。この結果は完全離散系の対称性に関して新しい解釈を与えるものである。 4.qパンルヴェ方程式の超幾何関数解を提出するとともに、さまざまなパンルヴェ方程式が非線形偏差分方程式のリダクションとして得られることを示した。これらの結果は可積分離散方程式の構造に関する新しい知見を与えるものである。
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Research Products
(6 results)