2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340064
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
安藤 裕康 国立天文台, 光赤外研究部, 教授 (90111559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 政彦 国立天文台, ハワイ観測所, 教授 (10183914)
田村 元秀 国立天文台, 光赤外研究部, 助教授 (00260018)
野口 邦男 国立天文台, 光赤外研究部, 教授 (10111824)
周藤 浩士 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員 (50300710)
林 左絵子 国立天文台, ハワイ観測所, 助教授 (90183912)
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Keywords | 太陽系外の惑星 / 惑星系の形成 / 原始惑星系円盤 |
Research Abstract |
本研究は、世界の大型光学赤外線望遠鏡のなかで、いち早く稼働を開始したすばる望遠鏡用のコロナグラフ撮像装置CIAOを用いて、100個程度の若い星を観測し、星周構造や惑星候補天体を検出することを目的とする。開始から3年が経過した現時点において、約80個の若い星の撮影が終了した。それらの天体の詳細な解析は現在進行中であるが、現時点で特筆すべきものとして、以下のような成果を挙げることができた。 (1)ぎょしゃ座AB星周囲の原始惑星系円盤に渦巻構造を検出 私たちの太陽系のように、固体微粒子(ダスト)が集積して微惑星ができ、それらが衝突合体して原始惑星となり、さらに重くなった原始惑星がガスを引きつけて巨大ガス惑星となるような形成過程をたどる場合には、原始惑星系円盤は中心星の1%程度の質量で、重力的に安定であったと考えられている。そのため、これまで原始惑星系円盤には、重力不安定性によってできる渦巻きなどの構造は無いと考えられていた。今回、本研究によってぎょしゃ座AB星の原始惑星系円盤に初めて渦巻構造を検出した。この構造は、円盤が重いために生じる重力不安定性によって形成されたと考えられる。このような不安定性は、私たちの太陽系とは異なった過程で惑星を形成する可能性がある。 (2)おうし座DH星に木星質量の40倍の伴星を検出 本研究で撮像した恒星のうち、約20個には近傍に暗い天体が写っていた。これらの天体については、現在追観測を進めている。その過程で、おうし座DH星の近傍にある星が、実際に重力的な系をなす伴星であり、その質量は木星の40倍(太陽の4%)であることが判明した。現時点では、惑星とは「木星の13倍以下の質量をもつ伴星」と定義されているので、今回の発見によって太陽系外の恒星周囲に存在する惑星の直接撮影に一歩近づいたと言える。14340064
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Research Products
(6 results)