2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340065
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三原 建弘 独立行政法人理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 先任研究員 (20260200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 徹 独立行政法人理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (20333312)
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300868)
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Keywords | X線偏光 / 八角シンチレータ / 散乱型偏光計 / GAPOM / ガンマ線バースト |
Research Abstract |
本年度は、先年度の実験結果を解析する一方で、散乱体としてプラスチック・シンチレータを用い位置検出能力を持たせる実験を行った。 まず、プラスチック・シンチレータの最小エネルギー測定の実験を行ない、Fe55の5.9keVのX線が83%の効率で検出されることを確かめた。これで基礎設計が固まり、物理学会(2003秋期総会)や高エネルギー宇宙物理連絡会第4回研究会で発表した。次に、プラスチック・シンチレータを52本のマッチ棒状にセグメント化したものを製作し、位置情報を読み出す試みを行った。読み出し用に64chのマルチパッドフォトマルを購入した。多チャンネル処理のため専用のプリアンプを製作した。また、読み出しもVMEデジタイザを用いた新方式を採用した。最後にエネルギー分解能を上げるため、散乱X線の検出器部分に用いているNaIシンチレータやCsIシンチレータに換えて、CdTe半導体を16素子用いることにし設計、購入した。 一方で、前年度最後に行った高エネルギー研究所フォトンファクトリでの実験データを精密に解析した。新たにGeant4モンテカルロシミュレーションを導入し、実験データと比較した。計算されたX線検出効率は実験デーダと良く一致した。偏光検出効率は、20%の不一致が見られ、原因を究明中である。精密解析中に設計段階では考慮しなかったBaのKエスケープX線が、偏光検出性能を25%程度悪化させているなどの発見があった。それは今年度製作したセグメント・プラスチック・シンチレータにフィードバックされ、改善して設計された。以上の結果は、2004年2月にアメリカ・スタンフォード大学で開かれたX-ray polarimetry conferenceで発表した。
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