2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340083
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
住吉 孝行 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30154628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 一郎 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核, 助手 (00249898)
松本 崇博 東京都立大学, 理学研究科, 学振研究員
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Keywords | 素粒子実験物理学 / 光検出器 / キャピラリープレート |
Research Abstract |
本研究はキャピラリープレートを用いて安定した動作が得られる光検出器を開発することを目的としており、以下の開発項目が挙げられる。 1)キャピラリープレートの抵抗値を変えてゲインを測定し抵抗値の最適値を決める。 2)ガス中でも動作が可能な光電面の製作。 3)信号を読み出すための電子回路の開発。 4)光電面とキャピラリープレートを組み合わせて、紫外光などに感度のある光検出器を試作する(これは研究の最終段階)。 これら最初の3項目に関して、平成14年度において以下の成果を挙げる事が出来た。 1)に関して。 ア)キャピラリープレートの還元の度合いで、抵抗値がかなりの範囲で可変であることが判った。しかし、還元の程度を制御する事は容易ではなく、未だその最適値を決めるには至っていない。 イ)キャピラリープレートを3枚配置し、実際にガスゲインなどを測定するためのMWPCを製作した。今のところ、宇宙線などの信号は観察出来ているので、トリメチルアミンなどの光電物質を組み込めば紫外光を捉える事が出来る可能性がある。 2)に関して。 実際のMWPCで使用されるアルゴン+メタンガス中で、透過型K-Csバイアルカリ光電面の量子効率の経時変化を測定した。その結果この混合ガス中では量子効率の変化は見られないことが判った。 3)に関して 多くのアノードからの信号を処理するための電子回路の設計・製作を行い、現在評価中である。 これらの成果は、キャピラリープレートを用いて安定した動作が得られる光検出器を開発することに対して希望を持たせてくれるものである。
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