2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340090
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 秀樹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50222211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏典 浜松ホトニクス(株), 中央研究所, 主任部員
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Keywords | 光合成 / アンテナ色素蛋白複合体 / 光反応中心複合体 / 人工色素蛋白超分子複合体 / カロテノイド / 超高速レーザー分光 / 電場変調吸収分光 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
1.アナログカロテノイドを天然のアポ蛋白質に再構築した人工の光合成光反応中心複合体の電場変調吸収分光:カロテノイド欠損光合成細菌Rb. sphaeroides R-26.1株から調製した光反応中心複合体(RC)と、系外から有機合成により調製したアナログカロテノイド(3,4-ジヒドロスフェロイデン)を再構築した人工のRCの電場変調吸収分光測定(室温及び低温)を行った。カロテノイド分子の有無により周囲に存在するバクテリオクロロフィル分子周辺の静電環境にどのような差異が生じるのかを初めて定量化した。室温(生理温度)で測定した場合、カロテノイド分子から16Å離れて存在するスペシャルペアバクテリオクロロフィル分子の周辺の静電場に、カロテノイド分子の有無により10%程度もの差異が生じることを明らかにした。その理由に関して,単結晶X線構造解析によって決定された,両RCの構造比較を行うことにより考察した。得られた成果を論文にまとめ、J.Phys.Chem.B109(2005)992-998にて公表した。 2.一連の共役鎖長を持つカロテノイド分子のサブ20フェムト秒時間分解分光:ミラノ工科大学及び英国グラスゴー大学の研究グループと共同で、一連の共役鎖長を持つβ-カロテンホモログ体および光合成細菌より単離精製したカロテノイド分子についてのサブ20フェムト秒時間分解吸収分光測定を行った。最短の共役二重結合数N=5を持つ場合を除き、全ての化合物において、S_2励起状態からS_1励起状態への緩和過程においてS_x中間励起状態が存在することを実時間で観測した。また,S_2,S_x,S_1状態の寿命に関して,共役二重結合数に関する1/(2N+1)則が成り立つ事を見出した。得られた成果をPhys.Rev.Lett.93(2004)163002にて公表した。
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Research Products
(14 results)