2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340108
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
酒井 治 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (60005957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 幸弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70250727)
佐宗 哲郎 埼玉大学, 理学部, 教授 (90142926)
金田 保則 東京大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00262048)
椎名 亮輔 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30326011)
今田 真 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90240837)
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Keywords | 動的平均場理論 / Ce化合物 / バンド計算 / LMTO / DMFT / NCA / Ce / CeSb |
Research Abstract |
本課題の主要目的は動的平均場理論(DMFT)による汎用バンド計算プログラムの作成である。DMFT法を局所密度近似によるLMTO汎用バンド計算プログラムに組み込み、一連の手続きにより計算が進められるようにすることを指針とした。もう一つの目的は関連する強相関現象の理論的解明である。 (1)有効1サイト模型を解くプログラムとしてNCAf2v'と名付けた方法を開発した。これにより、従来のNCA法がf1-f2の価数揺動のみに限っていた点を、定量的計算に必要であるf1-f2.も取り入れられるように改善した。 (2)LMTOとNCAf2v'法の組み合わせによる動的平均場プログラムを開発した。このプログラムは、Ceの結晶場分裂やスピン軌道分裂を取り入れて計算を遂行できる点で、従来の水準を越える。 (3)具体的対象として、Ce金属と、CeSbについての適用を行った。 Ce金属に於いて高温相(γ相)では結晶分裂が近藤温度より大きくなり、低温相(α相)では近藤温度が結晶場分裂より大きくなる。また、光電効果(PES)にSOサイドバンド励起構造が現れるなど、実験と整合する結果を得た。CeSbのPESでは、p-f混成にともなう二重ピーク構造の他に相関の強いf-バンドのピークが現れる。不純物模型の範囲ではPESと伝導を同時に説明不可能であった点がDMFTバンド構造により解決される可能性を指摘した。 金属強磁性合金につき、動的平均場近似とコヒーレントポテンシャル近似(CPA)を組み合わせることにより、3d強磁性金属の合金の電子状態を研究した。電子相関の揺らぎが,キュリー温度の合金濃度依存性に寄与していることを示した. 典型的な近藤絶縁体であるYbB_<12>について,バンド計算を再現するような強束縛模型を作った。これに基き軌道縮退のある場合の近藤絶縁体のギャップ形成のメカニズムが明らかにした。さらに,光学伝導度等の定量的な計算を行い、実験をほぼ説明できること示した。 PrOs4Sb12の磁場誘起多重極秩序下での励起スペクトルを計算し、実験の特徴を解明した。
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Research Products
(15 results)