2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 雅己 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40150263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 能宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60334249)
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Keywords | レーザーピンセット / DNAの凝縮転移 / Worm Like Chain / リエントラント転移 / カルシウム波 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は次のとおりである。 (1)1分子DNAの多価イオン条件下での凝縮ダイナミクスをレーザーピンセットを用いて計測した。その結果、イオン濃度を変化させた時に見られるリエントラント転移を1分子で初めて観測することに成功した。3価のポリアミンであるスペルミジンの濃度を上げていくと、凝縮転移を起こし、DNAの伸び-力応答曲線は、WLC的な応答から、プラトーを持つ応答になり、凝縮とコイル状態の共存状態を示し、さらにイオン濃度を上げると鋸波状のスティック・レリース型の非平衡応答を示し、さらに高濃度では、凝縮が解けて再びコイル状態に戻ることが確認された。 (2)上記の現象を説明するため、G-LモデルとDNAのWLC特性をあわせた新しいモデルを考案し、理論及び数値計算により実験をよく説明できることを示した。 (3)基板上の複製反応を実現するため、Qβレプリカーゼをゲル中で反応させ、鋳型RNAの複製パターンのダイナミクスを蛍光色素で可視化した。その結果、中心からほぼ等方的に広がる複製パターンの波が観測された。今後はこの現象の定量化を行っていく予定である。 (4)培養神経細胞のカルシウム応答を調べるため、レーザーフォトリシスを用いた神経伝達物質による局所刺激と高速カルシウム動態の観察系を立ち上げ、刺激によるカルシウム波の伝搬を詳細および定量的に調べた。その結果、カルシウムの自己増殖的ダイナミクス、IP3の細胞間拡散を指示する実験結果、さらにATPによる伝搬説を否定する結果を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Murayama, Y.Sakamaki, M.Sano: "Elastic Response of Single DNA Molecules Exhibits a Reentrant Collapsing Transition"Phys.Rev.Lett.. 90,1. 018102-1-018102-4 (2003)
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[Publications] H.Wada, Y.Murayama, M.Sano: "Model of elastic responses of single DNA molecules in collapsing transition"Phys.Rev.E. 66. 061912-1-061912-10 (2002)
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[Publications] D.Yamada, T.Hondou, M.Sano: "Coherent Dynamics of an Asymmetric Particle in a Vertically Vibrating Bed"Phys.Rev.E. 67(印刷中). (2003)