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2003 Fiscal Year Annual Research Report

島弧下に発生する深部低周波地震の定量的物理モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 14340127
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

武尾 実  東京大学, 地震研究所, 教授 (00197279)

Keywords低周波地震 / 時系列解析 / 震源過程
Research Abstract

本研究では深部低周波地震の発生メカニズムを下部地殻・モホ面付近における温度・圧力条件下での物理過程として明らかにすることを目指し,本年度は主に,1,島弧全域における深部低周波地震の発生場所とその波動特性の精査,2,非線型定常・因果解析による時間変化のダイナミクス解析,3,波動解析に基づく震源のキネマティクスの解析を行った.その成果の概要は以下のようなものである.
研究課題1
今年度は,秋田県北部と日光足尾地域の深部低周波地震に注目して,それら震源における波動励起の特性を,ここで開発した「平均散逸スペクトル」という解析手法で解明した.日光足尾地域では,2002年3月11日に数時間で100個以上の深部低周波地震が発生するというまれに見る活発な活動があり,その震源を精度良く再決定して,震源域の広がりと時間推移も明らかにした.この活動では,最初の2〜3時間の間に発生した地震は極めて相似な波形をしており,その震源域も水平方向に1km程度の広がりで,殆ど同じ深さで発生している事が明らかとなった.
研究課題2
KM20-Langevin方程式理論に基づく非線型定常・因果時系列解析を発展させ,同様の物理過程で励起されたと推定される波群にたいし,揺動・散逸定理を満たすようにLangevin行列を平均化するアルゴリズムを開発した.対象となる波群に対して,このアルゴリズムを適用して求めた平均Langevin行列の散逸項を使うと,これらの波群を特徴づける差分方程式が立てられる.この方程式を解いて卓越周波数,減衰係数,振幅係数で現される「平均散逸スペクトル」を新たに導入した.
研究課題3
日光足尾地域で発生した群発地震を,波形インバージョンの手法を用いて解析した結果,体積成分の変化が大きな解が求まった,これらの解の主圧力軸の方向は,これまでこの地域で求められた地震モーメントテンソル解と異なった方向を示している.

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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