2002 Fiscal Year Annual Research Report
透過弾性波による、破砕物質を挟んだ断層のすべり予測に関する研究
Project/Area Number |
14340134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
吉岡 直人 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (10167728)
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Keywords | 断層 / 破砕物質(ガウジ) / 透過弾性波 / すべり予測 / 地震予知 |
Research Abstract |
本研究は、破砕物質を挟む断層の振る舞いを、断層を透過する波動によって監視し、透過波動の変化から、動的な破断に到る過程の詳細を把握し、すべりを予測し、将来の地震予知への手がかりを探るというものである.このため、まず室内実験において、模擬断層を対象として断層の透過波動を観察する必要がある.本年度は、このための実験装置の構築をおこなった. 断層にせん断応力を加える装置として、リニアモーターを利用した駆動システムを作成した.リニアモーターを利用する理由は、かなりの高精度で速度が制御できること、また、速度範囲が、1ミクロン/秒以下の制御も可能であること、長時間の安定稼動が実現可能であること、などによる.垂直加重は、試料の重力加重(一定)とし、約100N(最大)としたので、せん断力(推力)の最大値は50Nの仕様とした.速度制御範囲は、0.05μm/s〜数mm/sの範囲とした.おそい速度で実験を行った場合、試験開始から動的破壊が生じるまでに長時間を要することが予想されるので、システム全体の安定性と、実験の操作性に配慮したシステムとなっている. 本年度は、上に述べた装置、すなわち「高精度速度制御駆動システム」の構築にとどまり、本実験に必要となる断層載荷システムの構築は来年度に予定している.当初の予定にはなかったが、400℃程度まで温度を制御できるシステムの構築も視野にいれて、来年度予定のシステム設計が進行中である.本実験はシステム全体の完成をまって行うこととなる.
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