2002 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃波遷移領域から下流域での非熱的高エネルギー電子加速
Project/Area Number |
14340144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 真弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90241257)
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Keywords | 粒子加速 / 衝撃波 / 惑星間空間衝撃波 / ブーネマン不安定 |
Research Abstract |
宇宙空間における無衝突衝撃波は,超音速プラズマの運動エネルギーを熱エネルギーに変換する過程として重要な役割を果たしている。地球前面でのバウショック,太陽フレアにより励起された惑星間空間衝撃波,超新星爆発にともなう衝撃波,活動銀河核からの宇宙ジェット先端での衝撃波など,宇宙において衝撃波は様々な物理現象の理解に欠かせない。本研究では,高エネルギー電子加速に焦点を絞り,大規模数値シミュレーションを実行し,衝撃波の高エネルギー粒子加速をプラズマ・ミクロ過程から理解することを目指しており、特に筆者らが提案してきた電子波乗り加速のメカニズムを解明することである。 平成14年度の成果として大きく二つ挙げられる。まず第1は、衝撃波上流での磁場の強度が、電子波乗り加速に必要な大振幅のソリトン的電場とそれに伴う電子密度の極小域の構造に、どのような影響をあたえるかについて考察した。この大振幅電場は、主にイオンと電子の相対速度を自由エネルギーとして、ブーネマン不安定により励起されることが分かっている。磁化電子と非磁化イオンプラズマ中でのブーネマン不安定の線形解析や数値シミュレーションをもちいてその時間空間発展を考察した。プラズマ周波数が電子サイクロトロン周波数より大きな場合は、ソリトン的電場構造が発達して電子加速が有効であることがわかったが、逆の場合は大振幅の電場が成長せず、衝撃波遷移領域での電子波乗り加速は起きないことが明らかにされた。2番目の成果は、大振幅の波動励起の自由エネルギーは主にイオンに相対速度を持つ電子プラズマの運動エネルギーであるとされてきているが、非線形段階では一部のイオンが大振幅電場と共鳴して運動量・エネルギー交換をしていることを突き止めたことである。イオン音波が重要な役割を果たしていることがわかってきており、現在その運動量・エネルギー交換効率の評価を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hoshino, M.: "Coupling Across Many Scales"Science. 299. 834-835 (2003)
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[Publications] Hoshino, M.: "Nonthermal Electrons at High Mach Number Shocks : Electron Shock Surfing Acceleration"Astrophys.J.. 572. 880-887 (2002)
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[Publications] Shimda, N.: "Electron-Ion Coupling Dynamics in the Shock Transition Region"Plasma Physics. (in press). (2003)
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[Publications] Perraut, O.: "Substorm Expansion Phase : Observations from Geotail, Polar and IMAGE network"J.Geophys.Res.. (in press). (2002)
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[Publications] Hesse, M.: "The structure of the dissipation region for component reconnection : particle simulations"Geophys.Res.Lett.. 29. 10.029 (2002)
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[Publications] Nishino, M.: "Increase of the Tail Plasma Content during the Northward Interplanetary Magnetic Field Intervals : Case Studies"J.Geophys.Res.. 107. 9268 (2002)