2003 Fiscal Year Annual Research Report
中・古生代珪質堆積物の酸素同位体・微化石統合層序の確立
Project/Area Number |
14340148
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 教授 (00183947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 直喜 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 講師 (60282977)
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Keywords | 珪質堆積物 / チャート / 放散虫 / 中生代 / 古生代 / 酸素同位体 |
Research Abstract |
中生代ジュラ紀の珪質岩試料を,ヨーロッパアルプス(スイス,イタリア,スロベニア)において採取した.これらの試料について,薬品処理を施し,放散虫化石群集を得た.スロベニアからの試料は,ジュラ紀古世トアルシアン期の海洋貧酸素環境の時期に形成されたと考えられている黒色チャートである.この試料の年代位置づけを確かめるために,国内で得られたトアルシアン期の放散虫群集について,群集組成の検討を行った.その結果,日本の群集はスロベニアの群集とよく似ていることが明らかになった.今後,他の産地からの試料についても、日本の群集と比較検討する予定である.ヨーロッパアルプスからの試料は、今後,酸素同位体比測定に供される. 酸素同位体用試料調整装置については,ラインが組みあがった.二酸化炭素レーザ発生装置の搭載が終われば,装置が完成する見通しである.安定酸素同位体比については,来年度早々にデータを出していく目処がついたといえる. ペルム紀からジュラ紀までの堆積年代をもつチャートから構成される,関東山地秩父帯の両神山チャートについて地質図をまとめ,地質学雑誌に公表した.この論文の中で,これまで未報告であったジュラ紀中世の珪質岩が両神山チャート中に存在することを示した. 福井県南条山地から産出するジュラ紀トアルシアン期の放散虫についての研究成果を,国内の放散虫研究集会(2003年6月筑波大学)および国際放散虫研究集会(2003年9月スイス・ローザンヌ大学)で発表した.その発表内容を放散虫研究集会の論文集に投稿中である.
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[Publications] 吉田和弘: "関東山地秩父累帯両神山チャートユニットのパイルナップ構造"地質学雑誌. 109・6. 324-335 (2003)
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[Publications] 梅津慶太: "福井県九頭竜川上流地域の手取層群から産出した前期白亜紀胞子・花粉化石"地質学雑誌. 109・7. 420-423 (2003)
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[Publications] Takahashi, O.: "Host-symbiont associations of polycystine Radiolaria : epifluorescence microscopic observation of living Radiolaria"Marine Micropaleontology. 49. 187-194 (2003)
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[Publications] 武井雅彦: "愛媛県城川町に分布する上部ジュラ系今井谷層群下相層中の含大型化石泥質岩岩塊"地質学雑誌. 110・3. 163-174 (2004)
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[Publications] Kurihara, T.: "Shell structure and morphologic variation in Spongosphaera Streptacantha Haeckel (Spumellaria, Radiolaria)"Science Reports of Niigata University, Ser E (Geology). 19. 35-50 (2004)
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[Publications] 渡部直喜: "新潟県守門火山山麓の水文地質構造と大規模地すべり"(社)日本地すべり学会シンポジウム「火山地域の地すべり」論文集. 21-24 (2003)
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[Publications] 鎮西清高: "古生物の科学 5 地球環境と生命史"朝倉書店(発表予定). (2004)