2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340162
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐藤 博明 神戸大学, 理学部, 教授 (60019495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 桂子 神戸大学, 理学部, 助教授 (20192544)
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Keywords | 噴火機構 / 岩石組織 / 粘性係数 / 富士火山 / Einstein-Roscoeの式 / 斜長石 / マグマ脱ガス / 含水量 |
Research Abstract |
この研究では主に歴史時代の主要な火山噴火について、噴出物の岩石組織に基づいて噴火機構を考察するもので、今年度については、富士火山1707年、864年噴火、岩手火山1732年噴火、等について検討をおこなった、これらの研究成果は学会で発表するとともに,印刷公表された、ここでは主要な成果を記述する。 富士火山では比較的一定の組成の玄武岩が歴史時代を通じて噴出している。今回は1707ADの玄武岩試料を用いて一気圧でサブリキダスでの粘性係数を計測した.これは粘性係数を測定すると同時に試料を採取しそのメルト組成や組織を決定した最初の実験である.1,230℃から1130℃の100℃の温度低下で,粘性係数は52Pa sから1950Pa sまで約40倍増加した.メルト組成を用いて各温度でのメルトの粘性係数を求めると,100℃の温度低下で粘性係数は2倍しか増加しなかった.これは斜長石が晶出してメルトのA1203が減少し,MgO, FeO*が増加して温度効果を打ち消したためと考えられる.従って,100℃の温度低下での粘性係数の40倍の増加の大半は結晶の存在によると考えられる.相対粘性係数を求め,Einstein-Roscoeの式(Marsh,1981)と比較したが,実験結果はERの式の4-5倍大きな粘性係数を示した.これは,晶出した斜長石が極めて平板な結晶(縦横比=14)であるために結晶の相互作用が大きくなったものである.また結晶が存在する場合,粘牲係数の歪速度依存性が結晶量に従って大きくなるのが観測された. 東岩手火山は玄武岩がしばしば爆発的な噴火を生じる.斜長石斑晶はAnに富みその生成にマグマの含水量が高いことが考えられ高温高圧実験により1kb,2kb,5kbでのリキダス斜長石組成・元素分配係数を決定した結果、高An斜長石は2-3Kbで生じることが明らかになった。これはリキダス相が低圧の高含水条件では斜長石⇒かんらん石に変わってもかんらん石の分別ではメルトの斜長石成分に影響がなく,高An斜長石が晶出するが,5kbでは斜長石⇒単斜輝石になり,単斜輝石の分別ではメルトのCaが乏しくなり斜長石がAnに乏しくなる影響も大きい.
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Experimental petrology of the 1991-1995 Unzen dacite, Part 1 : phase relations, phase composition and pre-eruptive conditions2005
Author(s)
Holtz, F., Sato, H., Lewis, J., Behrens, H., Nakada, S.
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Journal Title
J.Petrology 46
Pages: 319-337
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[Journal Article] Late Paleozoic adakites and Nb-enriched basalts from northern Xinjiang, NW China : evidence for the southward subduction of the Paleo-Asian Ocean.2005
Author(s)
Zhang, HX, Niu, HC., Sato, H., Yu, Xi., Shan, Q., Zhang, B., Ito, J., Nagao, T.
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Journal Title
The Island Arc 14
Pages: 55-68
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