2003 Fiscal Year Annual Research Report
^<14>Nの固体高分解能NMRの開発と生体分子への応用
Project/Area Number |
14340181
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹腰 清乃理 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10206964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 武彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50093274)
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Keywords | 窒素14 / 四重極相互作用 / オーバートーンNMR |
Research Abstract |
本研究の目的は,我々が最近成功した粉末試料での^<14>Nの高分解能NMR測定を一般的に行えるように完成すること,および,主にペプチドなど生体分子の構造研究に応用することである.この目的に向かって,15年度は (1)ペプチドの二次構造の代表であるαヘリックスとβシート構造に含まれる窒素の四重極パラメータの計算 (2)αヘリックスとβシート構造を取るモデルペプチド試料の合成 (3)モデル試料における測定を行った. 14年度にモデル化合物を用いて評価したab initio分子軌道計算(Gaussian98)を用いて,ペプチドの二次構造の代表であるαヘリックスとβシート構造に含まれる窒素の四重極パラメータの計算を行った.両構造で標準的なモデルを用いて計算した結果,αヘリックスに含まれる窒素の四重極はe^2qQ/h=-3.7MHz,η=0.27,βシートの窒素はe^2qQ/h=-4.1MHz,η=0.29と得られた.つまり,βシートの窒素の四重極の絶対値はαのそれよりも数100kHz大きいことが示唆された.この値に基づき線形のシミュレーションを行ったところ,この差は本手法で充分に観測可能な差であることが示された.そこで,αヘリックス,βシートをとることが知られている7種類(αヘリックス4種類,βシート3種類)のペプチドを固相合成法により準備した.今までの所,2種類の試料についてのおおまかな測定・解析が終わり,ほぼ計算で予測された挙動を示していることが確認されている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Nishiyama: "Chemical-shift γ-encoding nuclear magnetic resonance for uniaxially oriented matter under sample spinning"J.Chem.Phys.. 119(16). 3297-3308 (2003)
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[Publications] K.Takegoshi: "^<13>C-^1H dipolar-driven ^<13>C-^<13>C recoupling without ^<13>C rf irradiation in nuclear magnetic resonance of rotating solids"J.Chem.Phys.. 118(5). 2325-2341 (2003)
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[Publications] F.Amita: "Development of a high-temperature and high-pressure nuclear magnetic resonance probe for studies of chemical reactions in supercritical water"Rev.Sci.Instrum.. 75(2). 467-471 (2004)
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[Publications] E.Katoh: "^<13>C Nuclear Overhauser Polarization-Magic-Angle Spinning Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy in Uniformly ^<13>C-Labeled Solid Proteins"J.Am.Chem.Soc.. 126(11). 3653-3657 (2004)