2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340182
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
百瀬 孝昌 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10200354)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 知成 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30273428)
|
Keywords | 超流動液滴 / ヘリウム / 化学反応 / 高分子 / 高分解能分 / 生体分子 / パルスノズル / 誘導ラマン |
Research Abstract |
本研究では、超流動ヘリウム液滴を媒質とした化学反応研究の新しい手法を開発・確立し、それを実際の系に応用することを目的とする。最近、ドイツ、アメリカのグループが、数万個のヘリウム原子が液滴状態に集合した超流動ヘリウム液滴の中に自在に分子を閉じこめることができ、その振動回転電子遷移の高分解能分光が可能であることを明らかにした。この超流動ヘリウムを化学反応の新しい媒質としてみると、以下の2つの大きな利点があると考えられる。(1)凝縮相でありながら、電子・振動・回転状態が完全に量子化しているため、量子レベルを選別した化学反応の研究が可能である。(2)液滴中に容易にファンデルワールス錯体を生成することができ、A+B→C+Dの様な反応に対して、始状態の構造を完全に規定した研究ができる。そこで、本研究では超流動ヘリウム液滴を化学反応の新しい媒質として応用することを目指している。 本年度は、(1)超流動ヘリウム液滴法を用いて振動・回転の量子レベルを選別した高分解能分光を行う手法の開発、(2)メタンおよびメタン-水素分子クラスターの高分解能分行うとともに、超流動ヘリウム液滴が巨大分子も研究の対象にできることを示すための一環として、(3)フタロシアニンのLIF高分解能分光をおこなった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] M.Fushitani: "Generation of Infrared Radiation by Stimulated Raman Scattering in Para-Hydrogen Crystal at 5K"Opt.Lett.. 28(1). 37-39 (2003)
-
[Publications] B.J.McCall: "Stimulated Stokes Downconversion in Liquid and Solid Parahydrogen"Appl.Phys.Lett.. 82(9). 1360-1362 (2003)
-
[Publications] M.Fushitani: "A Study of Diffusion of H atoms in Solid Parahydrogen"Low Temp.Phys.. 29(9/10). 740-743 (2003)
-
[Publications] H.Katsuki: "Quantum Property of Solid Hydrogen as Revealed by High-resolution Laser Spectroscopy"Low Temp.Phys.. 29(9/10). 832-837 (2003)
-
[Publications] H.Hoshina: "Tunneling Chemical Reactions in Solid Parahydrogen : Direct Measurement of the Rate Constants of R+H_2→RH+H(R+CD_3,CD_2H,CDH_2,CH_3) at 5K"J.Chem.Phys.. 120(8). 3706-3715 (2004)
-
[Publications] T.Momose: "High-resolution Spectroscopy and its analysis of ro-vibrational transitions of molecules in solid parahydrogen"Vib.Spectrosco. 34(1). 95-108 (2004)