2004 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質・核酸の電子状態並列合成法と構造機能解析システムの開発
Project/Area Number |
14340185
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10211690)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 孝一 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (30304835)
仲 一成 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30314727)
竹田 邦雄 岡山理科大学, 工学部, 教授 (10113193)
今村 詮 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (70076991)
|
Keywords | Elongation法 / 有限軌道基底 / 非線形光学特性 / オーダーN法 / エネルギー勾配法 / 高分子 |
Research Abstract |
階層構造的な半経験的および非経験的分子軌道法双方のレベルで並列合成法による計算を実用的にするためには、いくつか解決すべき問題が残されていた。電子状態を合成する前の波動関数の局在化を効率よく実行するための手法を見つけることと、有限軌道基底とした場合でも全エネルギーを正確に合わせるための方法を組み込むことである。 そこでまず、基底関数が大きくなった場合の局在化に困難が生じていたので、局在化の手法に解決策を見出し導入した。これは、直交基底の密度行列を高分子鎖の特定の領域(例えばA領域およびB領域)別々に対角化を行い、得られた係数ベクトルを変換行列とした新しい密度行列の表現を作成し、さらにNBOプロセスによって、A領域とB領域の間で混じる要素を消し、最終的には極めて局在化性の高い波動関数を得る方法である。これをGAMESS-Elongation法に組み込むことによって高速化を実現した。 一方、有限軌道基底で構造最適化が行えるようエネルギー勾配法を組み込み、二電子積分の計算ルーチンに工夫を加え、実質上のオーダー(N)の計算時間で構造最適化が出来るよう発展させた。ポリグリシンの種々のヘリックス構造に適用し、オーダー(N)による超効率的計算時間でありながら、計算精度は従来の方法によるダイレクト計算との誤差は10^<-6>〜10^<-9>auと、ほぼ完壁な結果が得られていることを確認した。 さらに、機能性高分子設計のための解析方法の開発として非線形光学特性を算出するためのアルゴリズム、強磁性高分子設計のためのNBMO間混合度の計算ルーチン、導電性高分子設計のための局所状態密度の計算アルゴリズムを組み込んだ。また、RHF法のみならず、ROHF法、UHF法でも演算可能となるよう開発するとともに、階層構造的な手法は半経験的な部分に導入した。
|
Research Products
(10 results)