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2002 Fiscal Year Annual Research Report

遷移金属原子の励起状態反応ダイナミクスの解明

Research Project

Project/Area Number 14340186
Research InstitutionHimeji Institute of Technology

Principal Investigator

本間 健二  姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30150288)

Keywords遷移金属原子 / 交差分子線 / レーザー誘起ケイ光
Research Abstract

遷移金属原子の電子励起状態の反応を観測し、複雑な電子状態の構造を持つ遷移金属原子の反応を、分子レベルから明らかにすることを目的として研究を進めた。
本年度は交差分子線装置を用いて、Al+O_2→AlO+O反応について反応により生成するAlOの振動回転状態分布を決定しその反応機構について考察した。特に、Alの基底状態電子配置から生じる二つのスピン-軌道状態、Al(^2P_<1/2>)とAl(^2P_<3/2>)、を選別してそれぞれから生じるAlOの回転状態分布を決定し、反応が寿命の長い中間体を経る物であると結論した。
レーザー蒸発によってAlビームを生成し、O_2ビームと衝突させ、交差領域に生成するAlOをそのB-X遷移を用いてレーザー誘起ケイ光法で振動回転状態を選別して検出した。その回転状態分布はエネルギーが完全に統計的に分配するとして評価したものより低くなった。また、振動状態分布も同様に統計的なエネルギー分配よりも低ものとなった。これらの分布は二つのスピン軌道状態(電子基底状態Al(^2P_<1/2>)とスピン-軌道励起状態Al(^2P_<3/2>))においてほぼ同じ分布になった。反応性は衝突エネルギーに依存しており、低い衝突エネルギーでは基底状態の方が数倍高い反応性となった。
これらの結果は、反応が寿命の長い中間体を経て進むこと、その出口に低い障壁があることを示唆している。二つのスピン-軌道状態は入り口で異なるポテンシャル面を構成するが、反応に至るものは全て寿命の長い中間体を生成すると考えられる。ここで全てのエネルギーは統計的に分配されるが、出口には低い障壁があるため、その障壁を越える時に統計的なエネルギー分配が少し崩れると思われる。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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