2003 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体のナノ集積化を指向した人工DNAの構造・機能構築
Project/Area Number |
14340206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩谷 光彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60187333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 秀一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10322538)
田中 健太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40281589)
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Keywords | 人工DNA / ヒドロキシピリドン / 多核金属錯体 / 二重らせん構造 / 金属配列 / 高次構造制御 / 分子電線 / オリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
本研究では、金属錯体型人工DNAを用いて、様々な金属イオンの空間配列を設計・合成し、自然界にない新しい構造・機能(機能性素子、生物学的機能等)を創出し実用化を図ることを目的とした。DNAは遺伝情報を司る生体高分子であるが、我々はその分子構造を基に新しい機能性分子を創製する研究を行っている。まず、核酸塩基を金属配位子に置き換えた数種の人工DNAを化学的に合成した。これらの人工DNAは、水素結合の代わりに金属イオンと錯体をつくることにより塩基対を形成して、二重らせん構造となる。例えば、ピリジン型核酸塩基を利用して、金属イオンをトリガーとした、二重らせんや三重らせんなどのDNA高次構造の制御が可能になった。また、これらの人工DNAは、二重らせんの中心に、「数」と「順序」を制御して金属イオンを配列化する場として優れている。例えば、ヒドロキシピリドンを核酸塩基として用いた人工DNAの中心に、磁性をもつCu^<2+>イオンを思いどおりに1〜5個、一次元的に並べることができた。二重らせん構造の中でCu^<2+>イオンは平面四配位型をとり、Cu^<2+>-Cu^<2+>間約3.7オングストロームの距離でスタッキングしている。また、Cu^<2+>イオン間には強磁性的な相互作用がみられ、Cu^<2+>イオンの数に応じてスピン量子数が系統的に変化した。現在は、これらの結果を踏まえて、複数種の人工核酸塩基を用いて、異種金属イオンの配列化を検討している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Aketani, K.Tanaka, K.Yamamoto, A.Ishihama, H.Cao, A.Tengeiji, M.Shionoya: "Role of a non natural β-C-nucleotide unit in DNA as a template for DNA and RNA A syntheses and as a substrate for nucleolytic digestion"Eur.J.Pharm.Sci.. 20. 43-51 (2003)