2002 Fiscal Year Annual Research Report
分子集合に基づく有機ゼオライトの不斉ナノ空間の構築と機能化
Project/Area Number |
14340217
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 健二 静岡大学, 理学部, 助教授 (40225503)
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Keywords | 有機ゼオライト / 分子集合体 / 超分子 / 水素結合 / 水素結合ネットワーク / 不斉 / パイ共役 / 不斉水素結合ネットワーク |
Research Abstract |
1.ヘキサキス(4-カルバモイルフェニル)ベンゼンの3次元水素結合ネットワーク 我々は新規にヘキサキス(4-カルバモイルフェニル)ベンゼン1を合成し、再結晶条件に応じてホスト1が様々な3次元水素結合ネットワークを形成することを見出した。熱DMSOからは1級アミド基のアンチ-NH水素と酸素原子とのカテマー鎖型水素結合に基づく多孔質3次元水素結合ネットワーク1・12(DMSO)を、沸騰n-PrOH-H_2O混合溶媒からはアミド基のシン-NH水素と酸素原子との環状二量体型水素結合に基づく多孔質3次元水素結合ネットワーク1・6(n-PrOH)を、水熱法からはアミド基のアンチ-NH水素と酸素原子とのラセン状カテマー鎖型水素結合と環状二量体型・カテマー型水素結合の組合せに基づく3次元水素結合ネットワーク鎖1・(H_2O)を形成した。このネットワーク多形現象は、ホスト1の1級アミド水素の水素結合供与性(NH-anti≦NH-syn)とゲスト溶媒ならびにホストアミド基の酸素原子の水素結合受容性(n-PrOH<Host-CONH_2<DMSO)との相関、および、溶媒の極性に対するホスト間の水素結合とπ-π相互作用との相関に由来すると考えられる。次年度は、ホスト1の相互作用部位側鎖のベンズアミド部位のオルト位に不斉基を導入して不斉ホストと多孔質3次元不斉水素結合ネットワークの構築を検討する。 2.パラ位に種々の置換基を有するヘキサフェニルエチニルベンゼンホストの合成 我々は、パラ位に水酸基やカルボキシル基を有するヘキサアリールベンゼンが多孔質2次元水素結合ネットワークを形成することを見出している。そこで、拡張パイ共役型多孔質2次元水素結合ネットワークの構築とその不斉化を指向する目的で、パラ位に種々の置換基を有するヘキサフェニルエチニルベンゼンホストの合成を行った。シリルオキシ基やエステル基をパラ位に有するフェニルアセチレンとヘキサブロモベンゼンとの薗頭カップリング反応を行った後、脱保護により、パラ位に水酸基やカルボキシル基を有するヘキサキス(p-置換フェニルエチニル)ベンゼンホスト2,3を得た。また、1,3,5-トリブロモ-2,4,6-トリヨードベンゼンの簡便合成法を開発し、1,3,5-トリブロモ-2,4,6-トリヨードベンゼンに対して上記2種類のパラ置換フェニルアセチレンを順次薗頭カップリング反応させることにより、特異的に1,3,5-トリス(p-エステルフェニルエチニル)-2,4,6-(p-シリルオキシフェニルエチニル)ベンゼン4を合成することに成功した。同様に、1,3,5-トリス(p-ニトロフェニルエチニル)-2,4,6-(p-シリルオキシフェニルエチニル)ベンゼン5と1,3,5-トリス(p-N, N-ジアルキルアミノフェニルエチニル)-2,4,6-(p-ニトロフェニルエチニル)ベンゼン6の合成に成功した。次年度は、パラ置換ヘキサフェニルエチニルベンゼンホスト2,3の結晶中での多孔質2次元水素結合ネットワーク構造と、2〜6溶液および結晶中での電子的特性を解明する予定である。また、1,3,5-位に水酸基やカルボキシル基やシアノ基を有するp-置換フェニルアセチレンを、2,4,6-位に不斉置換アセチレンを導入することにより、不斉ホストである1,3,5-トリス(p-置換フェニルエチニル)-2,4,6-(不斉置換エチニル)ベンゼンを合成し、多孔質2次元不斉水素結合ネットワークならびに多孔質2次元不斉配位結合ネットワークの構築を検討する。
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Research Products
(1 results)