2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340226
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
鈴木 敏泰 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60260030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪元 洋一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80321602)
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Keywords | トランジスタ / 有機半導体 / 薄膜 / オリゴマー |
Research Abstract |
有機物を用いた半導体デバイスは、エレクトロニクス産業に与える影響が大きいことから、基礎・応用研究として大きな注目を集めている。有機エレクトロニクス素子は、フレキシブルな基板が使えるなどシリコン半導体にはない特徴が活かせる可能性がある。ペンタセン(C_<22>H_<14>)は平面的な芳香族炭化水素であり、有機トランジスタのp型半導体として最も高い移動度を記録している。このペンタセンと相補回路やp-nヘテロ接合を形成するとき、対になるn型半導体はペンタセンとよく似た物理的・電気的性質を持つことが望ましい。フッ素は最も電気陰性度が高く比較的サイズの小さい元素であるため、パーフルオロ化はサイズをあまり変えることなくp型半導体をn型半導体に変換する効果的な方法である。我々は最近、パーフルオロペンタセン(C_<22>F_<14>)の合成、キャラクタリゼーション、単結晶X線解析、および有機トランジスタの作製を行った。パーフルオロペンタセンは、ペンタセンより電子親和力が高く、HOMO-LUMOギャップは小さい。単結晶ではヘリングボーン構造をとり、分子間で短い炭素-炭素コンタクトおよびπスタッキングが見られた。パーフルオロペンタセンはn型半導体としてトランジスタ動作を示し、0.1cm^2/Vs以上の移動度を持つことが分かった。
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