2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮竹 貴久 岡山大学, 農学部, 助教授 (80332790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久場 洋之 沖縄県農業試験場, 室長
松本 顕 九州大学, 大学教育センター, 助手 (40229539)
谷村 禎一 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20142010)
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Keywords | 時計遺伝子 / 交尾前生殖隔離 / per遺伝子 / 概日周期 / 交尾行動 / 分子生物学 / PCR / ウリミバエ |
Research Abstract |
LDサイクル下においてウリミバエは消灯1時間前に交尾活性が高まるが,その本来の交尾時刻より早い時刻に交尾するウリミバエのショート系統と遅い時刻に交尾するロング系統を確立した.この系統の純系を得るために,シブ交配を5世代以上繰り返した.その結果,行動活性の高まる時間帯が揃ったショート及びロングの純系を作り出すことに成功した.これら純系の確立は,本研究の分子生物学的解析の飛躍的展開につながると期待できる.行動解析アクトグラフ装置を用いて,両純系統の自由進行周期を計測したところ,ショートは22時間,ロングは31時間と概日周期の長さに著しい分離の見られることが確認された.これらの純系統間及び系統内で交尾相手選択実験を行い,交尾を観察したところ,交尾時刻の異なる両系統間でのみ有意な生殖隔離が確認された.したがって,概日時計を支配する遺伝的要素が生殖隔離を引き起こすことが追認された.そこで本研究費で購入したPCR・電気泳動などの遺伝子解析装置により解析を進めたところ,ショウジョウバエの時計遺伝子perの相同配列が,ウリミバエにも存在すること.さらにウェスタンブロッティングにより,per遺伝子がコードする産物蛋白質の発現量が経時的に振動することを明らかにした.この振動はショウジョウバエのPER蛋白の周期振動と類似した.さらにガ由来のper遺伝子をプライマーとして,ウリミバエのper遺伝子をピックアップすることに成功し,ウリミバエ自身のper遺伝子プライマー(5'-GTCGGGACATTAAGTATGCCAAAA-3'及び5'-CCTAGACCATCGACGAAACCAG-3')の作成に成功し,このプライマーの実用性を確認できた.現在,このプライマーをベースにして,ウリミバエのper遺伝子全塩基配列(約4キロベース)の解読を進めている.今後,このper遺伝子のウリミバエ交尾行動の内因リズムに対する支配と種分化への関与について精査する予定である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Miyatake T, Matsumoto, A, Matsuyama T, Ueda HR, Toyosato T, Tanimura T: "The period gene and allochronic reproductive isolation in Bactrocera cucurbitae"Proceedings of the Royal Society of London Series B. 269. 2467-2472 (2002)