2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340244
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮竹 貴久 岡山大学, 農学部, 助教授 (80332790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 禎一 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20142010)
松本 顕 九州大学, 高等教育センター, 助手 (40229539)
久場 洋之 沖縄県農業試験場, 室長
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Keywords | 種分化 / 生殖隔離 / 時計遺伝子 / period遺伝子 / ウリミバエ / 転写開始領域 / PERIODタンパク質 / クイーンスランドミバエ |
Research Abstract |
交尾時刻の遅いロング(L)系統と早いショート(S)系統のウリミバエper遺伝子全長を解析終了した。mRNAを抽出し逆転写反応によって period cDNAを合成した。PCRにより目的断片をクローニングし塩基配列を決定した。非翻訳領域のクローニングはRACE法を用い、mRNA末端に連結したアダプターに相補的なプライマーと目的遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCRを行った。period遺伝子の推定アミノ酸配列を比較した結果、S系統、L系統ともにPERIODタンパク質は1034アミノ酸からなり、TIMELESSタンパク質の二量体形成に必要な2つのPAS領域PAS-A、PAS-B、核局在配列NLS、細胞質局在ドメインCLDは一致していた。系統間で異なるアミノ酸配列は10箇所あったが、いずれもタンパク質の機能に影響する変異とは考えられなかった。クイーンズランドミバエのPERIODタンパク質とは全体で96.8%の非常に高い相同性を示し、特にPAS領域は完全に一致した。Thr-Gly直列反復配列についても同じ一組の繰り返しが両系統で見られた。3'非翻訳領域には系統間で大きな違いはなかった。一方、5'非翻訳領域では異なるPCR増幅断片が得られた。S系統の5'非翻訳領域にはいくつかのバリエーションがあり、5個もしくは6個のエキソンが組み合わされていたが、L系統ではS系統と共通する1個のエキソンだけで構成されていた。ロング系統では転写開始領域になんらかの異常があり、S系統に見られる上流の転写開始点を使うことができなくなっていると考えられた。すなわち、ウリミバエのL系統ではperiod遺伝子の転写開始点が一つしか使えないためにmRNAへの転写とPERIODタンパク質の蓄積が遅れ、概日リズム周期が長周期になった結果、交尾開始時刻も遅くなり、生殖隔離の原因となる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)