2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14340249
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 陽介 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90183855)
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Keywords | ジベレリン / 転写調節因子 / 14-3-3 / 細胞内局在制御 / リン酸化 / キナーゼ |
Research Abstract |
植物の形態形成の特徴の一つは、細胞伸長である。ジベレリン(GA)は植物の伸長生長に顕著な促進作用を示す植物ホルモンである。RSGは我々がタバコからクローン化したbZIP型転写因子である。RSGの機能を阻害すると茎の伸長生長が著しく抑制される。我々はRSGの標的遺伝子の一つがGA合成系のent-カウレン酸化酵素遺伝子であることを見出した。さらに14-3-3タンパク質がRSGと結合しRSGの細胞内局在を制御することにより、RSGの機能を負に調節していることを明らかにした。本研究ではGAによる伸長生長制御の分子機構を明らかにすることを目的とし、転写因子RSGをリン酸化するキナーゼについて解析した。 RSGのSer-114のリン酸化を触媒するキナーゼは内外の刺激を受容してRSGと14-3-3との結合、ひいてはRSGの細胞内局在を制御すると考えられる。これまでの解析でRSGのSer-114をリン酸化するキナーゼはCa^<2+>により活性化されること、組み換えCDPK(カルシウム依存性タンパク質リン酸化酵素)はCa^<2+>に依存してRSGと特異的にin vitroで結合することを見出している。大腸菌で発現させたRSGはSer-114がリン酸化されていないのでin vitroで14-3-3と結合できない。しかしCDPKを大腸菌で発現させたRSGに作用させると、RSGと14-3-3の結合が促進されることをin vitroプルダウン法により明らかにした。さらにCDPKとRSGが植物細胞内で実際に複合体を形成している事を明らかにした。これらの結果はCDPKがRSGのSer-114のリン酸化を触媒するキナーゼであること示している。
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Research Products
(1 results)