2003 Fiscal Year Annual Research Report
KDP結晶への金属ドープによる屈折率の2次元縞構造と回折格子の創成
Project/Area Number |
14350009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中塚 正大 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (20088462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 靖 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (70343241)
椿本 孝治 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (90270579)
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Keywords | 水溶性結晶 / KDP / 高速育成 / 縞構造 / 回折格子 |
Research Abstract |
水溶性透明結晶(例えばKDP結晶)の高速育成法を確立した。水溶性結晶の高速育成技術によって,育成速度は従来の1-2mm/日から50mm/日(6μm/10秒)に向上した。これは溶液中での結晶核生成を制御することにより達成され、10cm級の結晶を2-3日で育成できた。高速育成時の金属イオン(例えば除去困難の不純物,鉄イオンなど)の選択的な高濃度取込みを見出し,育成速度の時間的制御法を用いて金属ドーパントの縞構造分布製作を実現した。 数ミクロンオーダーでの金属イオンの2次元的(層状)分布ドープを実現し,光学物性パラメーターを利用する光学素子としての機能性を持たせる可能性を検討した。しかし、高濃度での結晶構造は針状となるので不純物取り込みには限界があることが判明した。イオン濃度に起因する縞構造の屈折率変化を用いて光回折効果とその回折効率を計測した。 重水素化KDP(DKDP)と通常のKDPの格子定数の差は大きくなく、KDP結晶基板上にDKDPを育成することは可能である。両結晶の屈折率差を利用して屈折率の縞構造を構成することで新しい体積回折格子を創成する方式を提案した。 熱負荷によるレーザー耐力を検討するためKDP結晶の熱破壊限界を計測した。 以上によって,高耐力で高能率な透過型回折格子を構成し,高強度超短パルスレーザー用のパルス圧縮器などパワーフォトニクス応用の光学素子開発の基礎技術ができた。
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