2004 Fiscal Year Annual Research Report
表面構造ダイナミックスその場原子直視観察のための複合機能型電子顕微鏡法
Project/Area Number |
14350018
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木塚 徳志 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (10234303)
|
Keywords | 電子顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 表面 / ナノ物質 / 量子化コンダクタンス / ポイントコンタクト / 摩擦 |
Research Abstract |
表面研究に関わる3種の顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、および走査トンネル顕微鏡法の複合機能原子直視型顕微鏡法を開発した。これまでこの複合型顕微鏡法の装置は、カンチレバーの操作機能と試料環境の制限をとりはらい、一般的な表面研究に広く応用してさらに新しい発見ができるように発展させた。 接触時のチップやカンチレバー移動速度を自動制御して、チップ等を操作することができるようになった。その結果に応じて、電圧電源と電子回路、およびコンピューターインターフェースとそのためのソフトウエアを修正、改善することができた。特に本年度は、当初の目的に添って、本顕微鏡独自の試料ステージを製作し、これらの開発した装置を、現有の複合機能型原子直視顕微鏡に組み込み以下の実験を行った。 1)電解研磨法やフォーカスイオンビーム法を用いて、カンチレバーと対向する半導体、金属の試料を作製した。またカーボンナノチューブ等のナノ素材をこれらの試料に用いた。 2)装置内部にこれら試料を入れ電子線加工などでナノ形状を加工した。 3)カンチレバーと針、もしくは基板状試料を、ピエゾ駆動によって、接触させ、ポイントコンタクト、量子ドットや、カーボンナノチューブネットワークを作製した。 この結果、シリコンワイヤーでは直径を2ナノメートルまで減少させ、長さは70ナノメートルの表さまで長くした試料を作製し、さらにその電気伝導と力学特性を実験的に明らかにすることができた.試料のアスペクト比の大きさは世界一のものであり、その物性値おも明らかにしたのも世界初である.本研究より、本手法が表面構造と物性を解析できる新しい手法であることが示され、この手法を用いた独自の表面研究をさらに進める基盤を強固にすることができた.
|
Research Products
(6 results)