2002 Fiscal Year Annual Research Report
パターン化負イオン注入処理によるバイオインターフェイスの形成
Project/Area Number |
14350020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 博司 京都大学, 工学研究科, 助手 (20127103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 康仁 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00225666)
佐藤 弘子 京都大学, 工学研究科, 助手 (00093245)
石川 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026278)
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Keywords | 負イオン注入 / 接触角 / 神経細胞接着性 / 人為的神経回路網 / バイオインターフェイス / 神経突起伸展特性 / 神経再生 / 再生医療 |
Research Abstract |
(1)パターン化負イオン注入処理高分子基材上での神経回路形成に関する研究 厚膜やスピンコート法で作製したガラス基板上の薄膜高分子材料(ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン)に炭素、珪素、銀などの負イオンを微細なマスクパターンを介して低い注入エネルギー(10〜30keV)で種々の注入量(1×10^<14>〜1×10^<16>ions/cm^2>による負イオン注入処理を行い、パターン化負イオン注入高分子試料を作製する。これらを用いて神経細胞(神経成長因子NGF応答性を有するラット由来副腎髄質褐色種細胞PC-12h)の培養を顕微鏡下で行い、神経細胞は、培養時間が経過すると次第に負イオン注入した領域に移動することが判明した。 (2)負イオン注入処理高分子基材表面の物性評価に関する研究 ポリスチレン、シリコーンゴムおよびポリ乳酸に各種の条件で負イオン注入を行い、注入直後と注入後に純水に2時間浸積した後に接触角を測定した。負イオン注入により接触角は低下するが、水に浸しておとく更に5〜10゜の低下が見られた。XPS分析により、負イオン注入表面の官能基(C-0、C=0、O-C=0)が形成された。また、接着因子タンパクであるフィブロネクチンなどの細胞外マトリックスが負イオン注入領域に多く吸着することが判明した。 (3)パターン化神経細胞列試料の外部パルス特性評価に関する研究 パターン化負イオン注入試料上で神経細胞を培養して形成した神経回路上の特性の神経細胞に外部から電気パルスを印可して、回路における刺激伝達特性を評価する実験を進めているが、実験装置の構成が完了したが、外部刺激の強度や周波数などの条件出しを現在行った。 (4)多数電極パッドを有するパターン化負イオン注入薄膜高分子基材形成に関する研究 バイオインターフェイスとしては、電位を入出力するための多数の電極を必要とする。このため、高分子材料のパターン化に先立って、金属電極パッドを多数もうける必要がある。これに対して、1x5mmサイズの電極を蒸着して、その上にスピンコート法でポリスチレン薄膜の形成を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Tsuji, H.Sasaki, Y.Utsumi, H.Sato, Y.Gotoh, J.Ishikawa: "Extracellular Matrix Absorption Properties of Negative Ion-Implanted Polystyrene, Polydimethylsiloxane and Poly-Lactic Acid"Surface and Coatings Technology. 158/159. 620-623 (2002)
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[Publications] H.Tsuji, H.Sasaki, H.Sato, Y.Gotoh, J.Ishikawa: "Neuron Attachment Properties of Carbon Negative-Ion Implanted Bioabsorbable Polymer of Poly-Lactic Acid"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. B191. 815-819 (2002)
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[Publications] 辻 博司, 泉川雅芳, 佐藤弘子, 佐々木仁志, 後藤康仁, 石川順三: "炭素負イオン注入により改質した生分解性ポリ乳酸表面の神経細胞接着特性"真空. 45・6. 514-518 (2002)
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[Publications] 辻 博司, 泉川雅芳, 宇田川善行, 佐藤弘子, 後藤康仁, 石川順三: "炭素負イオンビームによる生分解性ポリ乳酸表面の神経細胞親和性の改質"第1回21世紀連合シンポジウム-科学技術と人間-論文集. 393-396 (2002)