2002 Fiscal Year Annual Research Report
異材接合部の力学的特性と電気的特性のカップリングに関する第一原理解析
Project/Area Number |
14350055
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 隆行 京都大学, 工学研究科, 教授 (20169882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅野 宜崇 京都大学, 工学研究科, 講師 (40314231)
|
Keywords | 異材 / 力学的特性 / 電気的特性 / 第一原理解析 / 接合 / 界面構造 / 微小材料 / 分子動力学 |
Research Abstract |
本研究では、異種接合材料としてシリコン基板上とアルミニウム薄膜を対象として、平面波基底擬ポテンシャル法を用いた第一原理分子動力学解析を行う。本年度は、(1)シリコン基板(100)表面の作製、(2)基板上へのアルミニウム原子の堆積過程、のシミュレーションを行い、接合部の原子・電子構造の詳細を明らかにすることを目的としている。まず、シミュレーション(1)においてシリコン表面上にダイマー列が形成され、実験観察結果と良く一致した結果が得られることを確認した。つぎに、シミュレーション(2)において、アルミニウム原子を1個ずつ基板上方より降らせた。まず、最初に基板上に達したアルミニウム原子群は、シリコンダイマー列間の溝上に安定し、アルミニウム原子同士の結合が形成される。また、シリコンとは弱い結合を示す。これに続く群は、その斜め上方に付着する。このとき、シリコン基板上のアルミニウム原子は、金属的に広がった電子密度分布を有していることが判明した。また、アルミニウム原子の溝への堆積に伴ってシリコン表面のダイマー原子が内側へ引き寄せられるとともに、ダイマーが平坦になることが明らかになった。すなわち、安定したシリコン・アルミニウム界面が形成される。さらに、アルミニウム原子の堆積を続けると、接合層の上方へ比較的密に原子が配置した構造になり、アルミニウム膜が形成される。本解析によってシリコン基板とアルミニウム薄膜の界面構造が判明したので、今後はこれに基づいてその力学的・電気的特性を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 梅野宜崇: "第一原理分子動力学法によるSi/Al接合部の構造に関する解析"日本機械学会講演論文集. 02-01. 221-222 (2002)
-
[Publications] Yoshitaka UMENO: "Ab Initio Simulation on Deposit Process of Al on Si Surface"Proc. of International Conference on Computational Nanoscience. 3. 215-218 (2003)