2002 Fiscal Year Annual Research Report
変形誘起変態のマルチスケールモデルの構築と材料の組織と機能の創生
Project/Area Number |
14350059
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
冨田 佳宏 神戸大学, 工学部, 教授 (10031147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋代 如月 神戸大学, 工学部, 助手 (50311775)
安達 泰治 神戸大学, 工学部, 助教授 (40243323)
中井 善一 神戸大学, 工学部, 教授 (90155656)
比嘉 吉一 大阪大学, 工学部, 助手 (20335368)
岩本 剛 広島大学, 工学部, 助手 (40274112)
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Keywords | 変形誘起変態 / 計算力学 / TRIP / 微視組織の創生 / マルチスケールメカニカルモデル / 分子動力学 / マルテンサイト相変態 / 微視組織の制御 |
Research Abstract |
TRIP鋼に見られる変形誘起マルテンサイト相変態のメカニカルモデルを構築することを目標として,実験ならびに計算機シミュレーションを行い下記の結果を得た. (1)TRIP鋼において顕著に見られる変形誘起マルテンサイト相変態現象の実験的検討 環境温度,ひずみ速度を変化させて,変形を加えた試験片の各種変形段階の断面を電解研磨し,X線結晶方位測定装置にて,観察領域にある結晶粒のすべり面を特定し,走査型プローブ顕微鏡(AFM)に磁気プローブを取り付けて磁気力顕微鏡(MFM)として,相変態したマイクロ,メゾスケール領域の詳細な情報を得た.同時により大きな領域に対して,結晶のすべり方位とマルテンサイト変態相の関係を超微小硬度計によって定量的に明らかにした. (2)変形誘起相変態のメカニカルモデルの構築 分子レベルにおける相変態は,駆動力が与えられることによって生じる変形場と結晶格子構造の不安定が連成したメカニカルな現象と理解される.そこで,分子動力学的手法を用いて,結晶格子構造の安定性を評価することにより.マイクロスケールの相変態発生過程を検討し,対応した相変態のマイクロメカニカルモデルを構築するための基礎研究を行った.ついで,結晶の形状,方位に依存したメゾスコピックなマルテンサイトエンブリオの発生とその成長を表現可能なメカニカルモデルを構築するために,単結晶の場合と2結晶,3結晶の場合について対応したモデルを構築した.このモデルは,結晶方位に依存したマルテンサイト構造を考慮しつつ,さらに高位の,平均的なマルテンサイト相体積分率を用いたモデルへ直接関係付けることが可能なメゾメカニカルモデルである.今後3次元多結晶体への一般化によって,均質化されたマクロメカニカルモデルへ発展させる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshihiro Tomita: "Constitutive Equation and Computational Prediction of Deformation Behavior of TRIP Steels under Monotonic and Cyclic Loading"IUTAM Symp. of Martensitic Phase Transformation in Solids, O.P.Sun (Ed.) Kluwer Academic Publishers. 9-18 (2002)
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[Publications] Yoshihiro Tomita: "Characterization of Micro-to Macroscopic Response of Polymers Containing Second-Phase Particles under Macroscopically Uniform Deformation"Int. J. Solids & Structures. 39. 3409-3428 (2002)
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[Publications] 屋代如月: "Ni基超合金格子状析出相の頂点近傍における転位の発生および運動の分子動力学シミュレーション"日本機械学会論文集. 68-668A. 573-579 (2002)
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[Publications] Yoshihiro Tomita: "Computational Characterization of Micro-to Macroscopic Mechanical Behavior and Damage of Polymer Containing Second-phase Particles"Int. J. Forming Processes. 5-2,3,4. 521-530 (2002)
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[Publications] Kisaragi YASHIRO: "Molecular Dynamics Simulation of Dislocation Nucleation and Motion at gamma/gamma-prime Interface in Ni-Based Superalloy"International Journal of Mechanical Sciences. 44-9. 1845-1860 (2002)
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[Publications] 屋代如月: "Ni基超合金格子状析出相に堆積する刃状転位の分子動力学シミュレーション"日本機械学会論文集. 69-677A. 210-217 (2003)