2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ超音波砥粒加工機構の解明と電気粘性流体援用による高能率・高精度化
Project/Area Number |
14350064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 克雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厨川 常元 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90170092)
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Keywords | 電気粘性流体 / キャビテーション / 微小径工具 / 電場FEM解析 / 超音波加工 / スラリ / マイクロ加工 / 砥粒 |
Research Abstract |
本研究の目的は,マイクロ超音波加工特有の加工現象と加工メカニズムを解明,解決することによって,これまで困難であった安定的な加工を実現することである.昨年度は,電気粘性流体(以下ER流体という)を援用することにより加工の安定化と同時に高能率化・高精度化を図り,ガラスやセラミックス等の絶縁性硬脆材料に対しサブミリサイズの微小穴,微細溝,3次元微小構造体を形成するためのER流体援用マイクロ超音波加エシステムを試作した. 本年度は,この加工機を用いて,直径50から100μmのマイクロ穴加工時のチッピングの抑制効果について検討した.その結果,これまで工具先端部に砥粒がほとんど無かったものが,ER流体を援用することにより工具先端に砥粒が集中することが確認され,チッピングが大幅に減少した. しかし深穴加工(d/1>10)の場合には,工作物上面に電極を配置して深穴加工を行うと電極-工具側面間に砥粒が集中してしまい,加工圧が増大し,d/1>3程度で加工が進行しなくなることも判明した.そこでER流体援用時の電極配置等について,FEMにより最適化することにより,深穴加工時でも工具先端に砥粒を集中させることを検討した.その結果,工作物下面に電極を配置する新しい新しい電極配置を考案した.この電極配置では,深穴加工時でも工具先端部に砥粒が集中し,チッピング,加工圧の増大を抑えたままで,深穴加工が可能となった. 以上のことより,本研究で開発したER流体援用マイクロ超音波加エシステムは,これまで加工が困難であったd/1が10を超えるような直径50から100μm程度の微小穴の深穴加工でも,チッピングレスで高品位な穴加工を実現できることが実証された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 斉藤修, 厨川常元, 庄司克雄: "分割工具の種類と加工特性について-超音波穴あけ加工"2003年度砥粒加工学会学術講演会論文集. D35 (2003)
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[Publications] 斉藤修, 厨川常元, 庄司克雄: "加工深さに対する分割工具の効果"2003年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. I63 (2003)
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[Publications] 末松和宏, 厨川常元, 庄司克雄: "電気粘性流体援用マイクロ超音波加工に関する研究(第2報)"2004年度砥粒加工学会学術講演会講演論文集. (発表予定). (2004)