2003 Fiscal Year Annual Research Report
SEMなみの解像度を持つ広視野レーザスキャナーの基礎研究
Project/Area Number |
14350079
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新田 勇 新潟大学, 工学部, 助教授 (30159082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 修 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00283002)
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Keywords | 機械要素 / 締結要素 / シユリンクフィッタ / 光学レンズ / 超精密接合 / スポット径 / 形状誤差 / スキャナー |
Research Abstract |
レーザースキャナーの原理は,以下のとおりである.走査レンズで微細に絞ったレーザー光(レーザースポット径)を観察対象物に当て,各点の反射光の強度を測定し,光の強弱を基に画像を構成する.視野を広げるためには走査幅を広げればよいが,現状では走査幅の両端でレーザーのスポット径が大きくなるために解像度が悪くなる.本研究では走査レンズ(fθレンズ)とレーザー走査装置(ポリゴンミラー)を,これまで申請者が研究してきたシュリンクフィッタという新しい機械要素を用いて構成することにより,広視野化と高解像度化を同時に達成するものである. 本年度は,昨年度組み立てたレーザースキャナーの性能を調べ、改良を加えた. レーザーの波長は650nmで,出力は3mWである.平面鏡を約2,000rpmで回転させることで3μmまで絞ったレーザー光を10mm幅で走査することができる.ジッタと面倒れ特性を測定し共に満足のいく値を得ることができた.シュリンクフィッタの特徴は温度変化に強いことであるので,冷凍温度から70℃までの各種温度に一定期間走査レンズを保存してから実験を行ったが,レーザースキャナーの性能には目立った劣化は見られなかった.観察試料のステージには,市販の電動ステージを用いているが,レーザースキャナーの解像度が高いために,電動ステージの振動が問題となった.根本的な解決には除振台を設置して,より高精度なステージを用いる必要がある.解像度については,走査幅の両端と中央でMTF試験を実施した.その結果,光学顕微鏡の対物レンズ換算で5〜10倍の解像度があることが確認された.さらに,本年度は信号処理用として高速なA/D変換装置を用いたために,走査方向のデータ取り込みがより高速に行えるようになった.
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