2002 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ディスク・トライボロジー特性向上のための機能分担テクスチャ保護膜の研究
Project/Area Number |
14350080
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川久保 洋一 信州大学, 工学部, 教授 (40313829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 教授 (20115380)
遠藤 守信 信州大学, 工学部, 教授 (10021015)
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Keywords | 磁気ディスク装置 / コンタクト記録方式 / 磁気ディスク保護膜 / ヘッド摩耗 / ピン・オン・ディスク摩耗試験 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では,今後の磁気ディスク装置高密度化に必要となるコンタクト記録方式実現に最も大きな問題となる磁気ヘッドの摩耗を,磁気ディスク表面保護膜の改良により低減することを目的としている。本年度は,本研究の前提である「保護膜の硬さの低減によるヘッド摩耗の低減」が可能かどうかを確認することを第1目標に研究を進めた。研究開始前には,新しい保護膜形成法の研究には時間が必要で,最初から実ディスクサイズの試料を作成することは困難と考え,小試験片での実験を予定していた。しかし,調査の結果これまでのディスクカーボン保護膜形成法を用いた場合でも,成膜ガス圧力を高めることにより膜硬度を低減する可能性があることが明らかになった。そこで,これを確認するため,実ディスクを用い,成膜ガス圧による摩耗特性の変化を解析した。試作した試料のヘッド摩耗低減性能試験方法として,ピン・オン・ディスク型の摩耗試験を行った。また,通常の磁気ディスクでは液体潤滑剤が塗布されているため,保護膜単独での摺動子摩耗特性を把握することができないので,潤滑膜なしの状態で保護膜単独の特性の評価試験を行った。これらの結果,成膜ガス圧を高めると,摺動子摩耗が約1/4に低減されることを見いだした。また,本補助金によりナノトライボメータおよび原子間力顕微鏡を導入し,活用を開始した。以上により,保護膜の硬さを低くすることにより,本研究の基本コンセプトを用いてヘッド摩耗を低減できる見通しを得た。今後,具体的に使用可能な低硬度保護膜形成方法とその効果の評価を行なう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Kawakubo, S.Miyazawa, S.Nagata, S.Kobatake: "Wear Prediction of Contact Recording Head"IEEE, Transaction on Magnetics. 39巻,2号. 888-892 (2003)
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[Publications] 川久保洋一: "ヘッドディスクインターフェイスの最近の話題"月刊トライボロジー. 17巻,3号. 12-14 (2003)