2002 Fiscal Year Annual Research Report

固体高分子型燃料電池のマイクロチャネル化と低温時の熱・物質移動現象の解明

Research Project

Project/Area Number	14350098
Research Institution	Hokkaido University
Principal Investigator	近久武美北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00155300)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	菊田和重北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90214741) 菱沼孝夫北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20281785)
Keywords	燃料電池 / PEFC / 固体高分子 / 熱・物質移動 / セパレータ / 生成水 / 凍結 / 可視化
Research Abstract	固体高分子型燃料電池内のガス流動状態や生成水挙動および低温下での生成水の凍結挙動の把握を肩的として、セパレータの薄型化による性能影響、氷点下における電池性能、および加圧による無加湿運転の可能性に関して研究を行った。まず、セパレータの厚みを従来の4mmから0.6mmに薄くし、ガスの流れるチャネル深さを1mmから0.2mmと薄型化した際の電池性能の計測を行った。その結果、ガス流路が狭くなるとカソード側で生成する水により電極におけるガスの拡散が阻害されやすくなるので、セパレータを撥水処理するほかカソードガスの湿度を低めに調整することにより、従来と同程度の電池性能を達成可能であることが明らかとなった。また、シールをO-リング化することにより、薄型セパレータの破損を回避しながら充分なシール性を確保する手法を開発した。次に、PEFCの主要な課題の一つである氷点下における自立運転特性に関する研究を行った。その結果、電流密度が高いほど凍結による性能低下が急激に生じ、それを回避し得る限界の電流密度を雰囲気温度に対して示すことができた。また、-5℃以上であれば自立運転が可能であるほか、自立運転温度を下げるには燃料電池本体よりも作動ガスの加熱が有効であることが明らかとなった。一方、無加湿運転の可能性を探るために、加圧条件での運転実験を試みた。その結果、加圧条件下では凝縮水がより多く生成するために、0.2A/cm^2の電流密度まで無加湿運転領域を拡大し得ることが明らかとなった。ただし、氷点下では加圧すると凝縮水の凍結がより顕著に生じるので、氷点下では常圧運転とするのが好ましいことも併せて明らかにすることができた。以上、本年度の研究により、薄型燃料電池の基本的特性を明らかにすることができたほか、次年度予定しているセパレータ内の可視化実験装置の製作を完了した。

Research Products

(8 results)

All Other

All Publications (8 results)

[Publications] H.Yoshikawa, Y.Hishinuma, T.Chikahisa: "Performance of a Polymer Electrolyte Fuel Cell for Automotive Applications"Hear Transfer Asian Research. 31・6. 421-429 (2002)
[Publications] F.Kagami, Y.Hishinuma, T.Chikahisa: "Performance and Self-starting of a PEFC at Temperatures below Freezing"Thermal Science & Engineering. 10・3. 25-33 (2002)
[Publications] F.Kagami, T.Ogawa, Y.Hishinuma, T.Chikahisa: "Simulating the Performance of a PEEC at a Temperature below Freezing"2002 Fuel Cell Seminar Abstracts. 239-242 (2002)
[Publications] 佃将一, 高木康晴, 菱沼孝夫, 近久武美: "マイクロチャネル型PEFCの性能におよぼす水分濃度の影響"第39同日本伝熱シンポジウム講演論文集. (I). 327-328 (2002)
[Publications] 小川朋宏, 各務文雄, 菱沼孝夫, 近久武美: "固体高分子型燃料電池の低温特性および自立運転"第39同日本伝熱シンポジウム講演論文集. (I). 329-330 (2002)
[Publications] 高木康晴, 菱沼孝夫, 近久武美: "PEFC用マイクロチャネル型セパレータの特性(凝縮水の生成と電池性能への影響)"第8回日本機械学会動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集. 401-406 (2002)
[Publications] 各務文雄, 菱沼孝夫, 近久武美: "低温環境下におけるPEFCの性能評価"第17回内燃機関シンポジウム講演論文集. 181-186 (2002)
[Publications] 各務文雄, 菱沼孝夫, 近久武美: "固体高分子型燃料電池の低温特性および自立運転"第9回燃料電池シンポジウム講演予稿集. 43-50 (2002)

2002 Fiscal Year Annual Research Report

固体高分子型燃料電池のマイクロチャネル化と低温時の熱・物質移動現象の解明

Principal Investigator

近久 武美 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00155300)

Research Products

[Publications] H.Yoshikawa, Y.Hishinuma, T.Chikahisa: "Performance of a Polymer Electrolyte Fuel Cell for Automotive Applications"Hear Transfer Asian Research. 31・6. 421-429 (2002)

[Publications] F.Kagami, Y.Hishinuma, T.Chikahisa: "Performance and Self-starting of a PEFC at Temperatures below Freezing"Thermal Science & Engineering. 10・3. 25-33 (2002)

[Publications] F.Kagami, T.Ogawa, Y.Hishinuma, T.Chikahisa: "Simulating the Performance of a PEEC at a Temperature below Freezing"2002 Fuel Cell Seminar Abstracts. 239-242 (2002)

[Publications] 佃将一, 高木康晴, 菱沼孝夫, 近久武美: "マイクロチャネル型PEFCの性能におよぼす水分濃度の影響"第39同日本伝熱シンポジウム講演論文集. (I). 327-328 (2002)

[Publications] 小川朋宏, 各務文雄, 菱沼孝夫, 近久武美: "固体高分子型燃料電池の低温特性および自立運転"第39同日本伝熱シンポジウム講演論文集. (I). 329-330 (2002)

[Publications] 高木康晴, 菱沼孝夫, 近久武美: "PEFC用マイクロチャネル型セパレータの特性(凝縮水の生成と電池性能への影響)"第8回日本機械学会動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集. 401-406 (2002)

[Publications] 各務文雄, 菱沼孝夫, 近久武美: "低温環境下におけるPEFCの性能評価"第17回内燃機関シンポジウム講演論文集. 181-186 (2002)

[Publications] 各務文雄, 菱沼孝夫, 近久武美: "固体高分子型燃料電池の低温特性および自立運転"第9回燃料電池シンポジウム講演予稿集. 43-50 (2002)

近久武美北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00155300)