2002 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素を冷媒として用いる遷臨界ヒートポンプサイクルの高効率化に関する研究
Project/Area Number |
14350102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飛原 英治 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00156613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 剣鋒 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30345269)
大宮司 啓文 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10302754)
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Keywords | ヒートポンプ / COP / 二酸化炭素 / 遷臨界サイクル / エジェクター |
Research Abstract |
本研究では,自然作動流体の一つである二酸化炭素を用いて,高効率なヒートポンプを開発するための基礎研究を行うことを目的として,エジェクターを用いて膨張時の仕事を回収し,効率をあげることを試みた。ヒートポンプサイクルの膨張過程にエジェクターを用いると,ノズル部は気液二相超臨界流となり,その設計法は確立されていない。エジェクター性能試験装置を設計し,組み上げることができた。気液二相流が流れるエジェクターの理論解析手法を検討し,エジェクターを組み込んだ冷凍サイクルのシミュレーションを行った。エジェクターは,ノズル部,混合部,ディフューザ部に分かれており,ノズル部では熱力学的な非平衡,混合部やディフューザ部ではエネルギー損失の評価法が不明であるので,それらのモデル化とサイクル性能の検討を行った。次に,エジェクターの重要要素であるノズルの設計・試作・性能試験を行い,性能予測モデルとの違い等を明らかにした。 熱交換器に関しては,内径が0.5〜6mmの伝熱管について,二酸化炭素を作動媒体としたときの蒸発器の熱伝達と,ガスクーラの熱伝達性能を整理した。その結果,冷凍サイクル中に混入する潤滑油の濃度が伝熱性能に大きく影響することがわかったので,潤滑油が混入している場合とそうでない場合の結果の比較を行った。しかし,潤滑油の濃度を変化させた伝熱性能の計測結果が得られていないので,潤滑油の定量的な影響は不明で,今後の研究課題である。既存の伝熱性能に関する測定結果をまとめて,熱交換器の設計に生かせるようにデータベース化することを行っている。
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