2003 Fiscal Year Annual Research Report
吸収・発光スペクトル法による燃料噴霧火炎内の多環芳香族炭化水素の生成過程の解明
Project/Area Number |
14350103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小酒 英範 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50225413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 哲哉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60323797)
松井 幸雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50301172)
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Keywords | 燃料噴霧火炎 / すす生成過程 / 多環芳香族炭化水素(PAH) / すす前駆物 / 吸収・発光スペクトル(EEM)法 / 衝撃波管 / 高温・高圧条件 / 多色レーザ |
Research Abstract |
火炎内に生成されるすす前駆物質である多環芳香族炭化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbon : PAH)の生成機構を調べることを目的に,吸収・発光スペクトル(Excitation Emission Matrix : EEM)法により,衝撃波管内の高温高圧下の単一成分PAH蒸気のEEMスペクトルデータを計測した.アントラセン,フロランセン,ピレンのEEMデータを取得し,これらのEEMスペクトルに及ぼす温度の影響を調査した.これらのデータは火炎内に生成したPAHをEEM法により同定するための参照データとして用いられる. 次に,励起波長355nmと266nmを用いたLIF計測を急速圧縮装置内に実現した非定常燃料噴霧火炎に適用し,各励起波長によるLIF画像の撮影とLIFスペクトルの分光計測を行った.得られた結果から以下の知見を得た. (1)波長355nmの励起光により得られた発光画像に比べて,266nmの励起光を用いた場合には噴霧火炎内でレーザーシート入射側のみに強い発光領域が観察される.これは,266nmの励起光では,より多くの物質による吸収・発光が生じていることを示唆している. (2)355nmの励起光の場合には着火直前に燃料の低温酸化反応により生成されたホルムアルデヒドによる蛍光スペクトルが観察されるが,266nmの励起光の場合にはホルムアルデヒドからの蛍光スペクトルは観察されず燃料中に微量に含まれる蛍光物質からの微弱な蛍光が観察される.この燃料からの蛍光とは別に,着火とほぼ同時にPAHからと考えられる強い励起発光が発現する. (3)着火後では,いずれの励起光を用いた場合でも,噴孔から35mm-55mm下流でPAHのLIFが計測される.さらに下流域ではPAHのLIFにすす粒子からの励起赤熱放射が重なる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Aizawa, T., Kosaka, H., Matsui, Y.: "2-D Imaging of Soot Formation Process in a Transient Spray Flame by Laser-Induced Fluorescence and Incandescence Techniques"SAE Technical paper. 2002-01-2669. 1-9 (2002)
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[Publications] Aizawa, T., Imaichi, K., Kosaka, H., Matsui, Y.: "Measurement of Excitation-Emission Matrix of Shock Heated PAHs using a Multi-Wavelength Laser Source"SAE Technical paper. 2003-01-1785. 1-10 (2003)
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[Publications] 相澤哲哉, 小酒英範, 松井幸雄: "レーザー誘起蛍光・赤熱法による非定常噴霧火炎内すす生成過程の2次元可視化"日本機械学会論文集(B編). 69・680. 981-987 (2003)
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[Publications] 相澤哲哉, 小酒英範, 松井幸雄: "多波長レーザ光源を用いた火炎内多環芳香族炭化水素の励起発光マトリクス(EEM)の測定"日本機械学会論文集(B編). 70・690. 496-502 (2003)