2002 Fiscal Year Annual Research Report
熱電駆動型形状記憶合金運動素子を用いた新たなマニピュレータシステムの開発
Project/Area Number |
14350115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羅 雲 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40302228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長南 征二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005424)
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20197065)
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Keywords | マニピュレータ / 形状記憶合金 / 熱電素子 / 義肢 / 人工筋肉 |
Research Abstract |
平成14年度は形状記憶合金の変態に伴う回復力のモデリング、数値シミュレーション手法を開発し、形状記憶合金マニピュレータの設計を可能にすることを目標とし、主に以下の研究内容を実施した。 ・形状記憶合金の変態に伴う回復力の温度、拘束条件への依存性について実験的な考察 ・上記実験考察結果より回復力に関する熱・力学モデリング これまで形状記憶合金の変態に伴う回復力の関する考察が少ないため、本研究では回復力の関する実験的な考察に重心を置いた。指サイズのSMAマニピュレータ(長さ80mm、幅8mm、厚さ0.7mm)を作製し、その一端を固定することにより、自由端の変形や変形の拘束されたときの回復力を測定した。本研究で用いた形状記憶合金が2方向形状記憶効果を有するため、加熱と冷却時に可逆的に変形が生じ、先端で約40mmのストロークが得られることが確認された。また、形状が拘束された場合の熱サイクルにより最大で約3Nの力の出力が得られた。試作したSMAマニピュレータ(2.8g)が自重の約50倍の力を出力できた。回復力のモデリングに関しては、相変態に誘起される形状記憶効果をSMA内部に熱処理時の拘束歪みに依存した分布応力場として表し、本研究で用いるSMA板に対して、変態温度やヤング率などを考慮した曲げモーメントモデルを提案し、回復力のシミュレーションに適用した。これにより温度のみでSMAマニピュレータの力学出力を制御することが可能となった。以上より、本年度の研究目標を達成した。 そのほか、熱電素子を用いた形状記憶合金人工心筋に関しても応答や伝熱制御などについて検討を行なった。また、関連研究としての形状記憶合金を用いた人工括約筋の開発についても体内における温度制御手法の提案・実証など、本研究の今後の展開に有益な知見が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yun Luo: "One-Dimensional Constitutive Model of Stress-Induced Transitions between Ms and Mf in Shape Memory Alloys"Proceedings of SPIE. 4699. 335-342 (2002)
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[Publications] Yun Luo: "An SMA artificial anal sphincter actuated by transcutaneous energy transmission systems"Materials Transactions. 43・5. 1152-1156 (2002)
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[Publications] Yun Luo: "Design of an artificial sphincter using shape memory alloy"International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics. 14. 411-416 (2002)
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[Publications] Toshiyuki Takagi: "Modeling and Numerical Simulation on Thermomechanical Behavior of SMA Plates with Two-Way Shape Memory Effect"Journal of Intelligent Material Systems and Structures. 12・11. 721-728 (2002)
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[Publications] Shigenao Maruyama: "Development of Thermoelectric Actuators Applied to Artificial Heat Muscle"Proc. of the Twelfth International Heat Transfer Conference. 81-86 (2002)
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[Publications] 羅 雲: "熱電駆動型SMAマニピュレータの応答特性"日本機械学会2002年度年次大会講演論文集. VI・02-1. 197-198 (2002)