2003 Fiscal Year Annual Research Report
熱電駆動型形状記憶合金運動素子を用いた新たなマニピュレータシステムの開発
Project/Area Number |
14350115
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羅 雲 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40302228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長南 征二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005424)
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20197065)
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Keywords | マニピュレータ / 形状記憶合金 / 熱電素子 / モデリング / 相変態 |
Research Abstract |
平成15年度では、熱電変換素子と形状記憶合金リボンを組み合わせ、形状記憶効果に起因した曲げ変形によって駆動する形状記憶合金アクチュエータを試作した上、まず熱電変換素子を用いた冷却能力の向上効果を実験的に評価した。次に、形状記憶合金アクチュエータの温度制御により、力学的出力を制御するための形状記憶合金の変態現象を考慮した駆動機構のモデルを構築した。具体的には以下に述べる成果を得た。 (1)熱電素子の冷却効果の確認実験では、自然冷却の約3倍の冷却速度が得られた。また、冷却効果をさらに向上させるために、熱電素子の寸法や形状の検討を数値シミュレーションにより行い、設計の改良策を提案した。 (2)相変態分率の変化を考慮したアクチュエータの自由変形モデルを構築し、温度履歴に依存した形状記憶合金アクチュエータの変形量の予測を可能にした。 (3)前記モデルに形状記憶合金の相変態に伴う各相の分率の連続的な変化履歴をも考慮した改良モデルで、温度履歴と変態履歴の両方に依存した変形量のヒステリシス特性についてもシミュレーションを可能にした。様々な温度サイクルにおける変形量に関する実験評価と数値解析でその有効性を確認した。 (4)形状記憶合金アクチュエータの変形量の制御が自由変形モデルに基づいた温度制御により可能であることを確認した。 上記研究成果に基づいて、今後回復力の制御に関する検討を行い、簡単な温度制御で変形量と回復力の制御が可能な形状記憶合金マニピュレータを実現させる予定である。
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[Publications] Yun Luo: "Thermal responses of a thermoelectric SMA manipulator"Proc.of the 11^<th> ISEM conference. 320-321 (2003)
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[Publications] Yun Luo: "Mechanical Behavior of a Thermoelectric SMA Manipulator"Proc.of the 2003 JSME-IIP/ASME-ISPS Joint Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment (IIP/ISPS Joint MIPE'03). 155-156 (2003)
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[Publications] Yun Luo: "Shape Memory Alloy Artificial Muscles for Treatments of Fecal Incontinence"Materials Transactions. 45・2. 272-276 (2004)
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[Publications] Yun Luo: "Thermal Responses of Shape Memory Alloy Artificial Anal Sphincters"Smart Materials and Structures. 12. 533-540 (2003)
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[Publications] Yun Luo: "Thermal Responses of a Thermoelectric SMA Manipulator"International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics. (In press). (2003)