超音波切削系における最適制御装置の開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14350116
• Research Institution: Utsunomiya University
• Principal Investigator: 佐藤 啓仁 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80008044)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉田 勝俊 宇都宮大学, 工学部, 講師 (20282379)
• Keywords: 超音波振動切削 / 非線形振動 / 機械振動 / 不安定現象 / 難削材加工

Research Abstract

本研究の目的は「超音波振動切削系における最適制御装置の開発」である。この目的達成の為に、超音波振動切削に生じる挙動の解明(基礎研究)が求められる。本年度における研究成果(1〜3)は、実験結果・数値解析より、以下の研究成果を得た。また、NC旋盤の主軸回転制御用のプログラムも製作した。
1、超音波振動切削に生じる不安定現象の解明
2、難削材加工を目的とした基礎研究
3、パソコンを用いたNC旋盤の主軸回転制御
1の研究成果は、超音波振動切削加工時に生じる可能性がある異常現象(真円度異常)について報告を行い、異常現象が発生しやすい材質、発生しにくい材質があることを明らかにした。また、異常現象発生時における工作物挙動の特徴について考察し、超音波振動切削を行う際に有用な情報を得た。更に、不安定挙動の要因の1つとして、工作物振動の解析結果と数値シミュレーションから、振動切削用工具における工具刃先の規則的振動が、何らかの原因(工具磨耗による切削抵抗の増加等、つまり、工具に関する異常)により、抑制されている可能性を明らかにした。
2の研究成果は、超音波振動切削を難削材(耐食性及び高温強度に優れているインコネル600等)に利用する際、従来用いられていた工具刃先が鋭いものより、工具刃先に対してある程度の丸みを考慮することにより、工具の刃先欠損を防止できることがわかった。以上、1、2の研究成果は投稿論文・講演会にて発表した。
3の研究成果は、「最適制御装置の開発」に必要不可欠な部分である。本年度の成果は、パソコンを使用することにより、NC旋盤の主軸回転速度が任意に調節可能となった。来年度は、このシステムを発展させ主軸回転速度が加工状態の測定情報に応じて制御されるシステムを構築する。

Research Products

• [Publications] Keijin SATO: "Analysis of Chatter Suppression in Vibration Cutting"International Journal of Machine Tools & Manufacture. Vol.42. 1677-1685 (2002)
• [Publications] Keijin SATO: "Analysis of Vibration Cutting System using Stochastic Model"Proceedings of The 34th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications. (掲載予定). (2003)
• [Publications] Keijin SATO: "Influence of Random Noise for a Cutting Model"Proceedings of The 34th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications. (掲載予定). (2003)
• [Publications] Keijin SATO: "Analysis of Vibration Cutting System using Stochastic Model"Abstracts of The 34th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications. 2002-10. 60-61 (2002)
• [Publications] Keijin SATO: "Influence of Random Noise for a Cutting Model"Abstracts of The 34th ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications. 2002-10. 62-63 (2002)
• [Publications] 佐藤 啓仁: "重複係数を考慮した動的切削モデルについて"日本機械学会関東支部ブロック合同講演会 講演論文集. 2002-9. 241-242 (2002)
• [Publications] 佐藤 啓仁: "超音波振動切削に生じる異常現象について"日本機械学会関東支部ブロック合同講演会 講演論文集. 2002-9. 243-244 (2002)
• [Publications] 佐藤 啓仁: "振動切削系における不安定現象に関する研究"日本機械学会機械力学・計測制御講演論文アブストラクト集. 2002-9. 41-41 (2002)
• [Publications] 佐藤 啓仁: "不規則外乱が切削モデルに及ぼす影響"日本機械学会機械力学・計測制御講演論文アブストラクト集. 2002-9. 42-42 (2002)
• [Publications] 佐藤 啓仁: "切刃先丸みのある工具を用いた振動切削による難削材加工"日本機械学会2002年度年次大会講演論文集(V). 2002-9. 337-338 (2002)
• [Publications] 佐藤 啓仁: "確率微分方程式を用いた振動切削系の解析"第52回理論応用力学講演会講演論文集. 2003-1. 367-368 (2003)
• [Publications] 佐藤 啓仁: "切削モデルに生じる雑音誘起秩序"第52回理論応用力学講演会講演論文集. 2003-1. 369-370 (2003)