2002 Fiscal Year Annual Research Report
経済的で安定な完全開放型電力システムの構築と運用に関する基礎研究
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14350142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仁田 旦三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40026266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 政邦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011140)
横山 明彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30174866)
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Keywords | 完全開放型電力系統 / 分散電源 / 超電導発電機 / 超電導限流器 / 超電導磁気エネルギー貯蔵装置 / 安定度 / 固有値 / 高調波 |
Research Abstract |
分散電源を自由に接続できる様な完全開放型電力系統の構築と運用を研究目的としている.超電導技術を適用することによって,この目的の達成を試みている. まず,電力系統の構築に関しては,超電導発電機の導入と超電導限流器の導入を考えた.今年度は,アナログ型電力系統シミュレータを用いて,発電変動の大きい風力発電を含む系統での超電導発電機が現用機に比べて安定に運転できることを実験的に検証した.また,高調波電流が含まれる系統における超電導発電機の高調波吸収能力があることを示し,今後の一般的な超電導発電機の有用性を考察する用意ができた.限流器に関しては,試作超電導限流器の特性を実験的に把握すると共に,アナログ型電力シミュレータ用限流器モデルを作成し,今後の限流器が開放型電力系統構築への貢献を考察する用意ができた. 現用の電力系統と違って,運用者が特性を知らない機器が接続される可能性がある開放型電力系統が安定に運転できるためには,電力系統の運転状態をオンラインで把握できることが肝要である.その状態把握を超電導磁気エネルギー貯蔵装置(SMES)の特徴であるSMESを接続することで系統の状態が変わらない高インピーダンス性,任意の電力パターンを発生できる高制御性を利用して,SMESから電力系統に微小な電力変動を与え,その応答から系統の運転状態を示す固有値や固有ベクトルを求めることを考えてきた.今年度は,アナログ型電力シミュレータとそのSMESモデルを用い,多機系統における固有値測定を試みた.電力変動としてChirp signalを用いる方法と正弦波状電力を用いる方法の2種類について実験的に検討した.両者にはそれぞれ長所短所があり,今後の検討への準備ができた.さらに実系統におけるSMESによる電力変動制御に関する実験に成功した.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] A.Uemura, T.Nitta, T.Yainashita, Y.Shirai, S.Takeda, K.Sato: "Experimental Study in Real Time Simulation on On-line Identification of Multi-Machine Power System by Use of SMES"Proc.of The International Conference on Electrical Engineering (ICEE2002). 38-42 (2002)
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[Publications] Y.Shirai, S.Takeda, S.Mohri, T.Nitta, H.Nishigaito: "Experimental Study on On-line Measurement of Eigen-Modes of Longitudinal Multi-Machine Power System by Use of SMES"Proc.of The International Conference on Electrical Engineering (ICEE2002). 197-202 (2002)
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[Publications] H.Hatta, S.Muroya, T.Oide, T.Nitta, Y.Shirai, M.Taguchi, Y.Miyato: "Study on Limiting Operation of Series Connection of Superconducting Fault Current Limiters with Adjustable Trigger Current Level"Proc.of The International Conference on Electrical Engineering (ICEE2002). 1573-1577 (2002)
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[Publications] O.Sakamoto, A.Uemura, A.Yokoyama, T.Nitta, G.Wu: "Effects on Stability Enhancement by SCG in Power System Including On Site Fluctuating Power Plant"Proc.of The International Conference on Electrical Engineering (ICEE2002). 1582-1586 (2002)
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[Publications] G.Wu, O.Sakamoto, T.Nitta, A.Yokoyama, N.Uchida: "Increase of Power Transmission Capacity in Multi-machine Power Systems with Introduction of Superconducting Generator"Proc.of IEEE/PES Transmission and Distribution Conference 2002. No.1. 1582-1586 (2002)
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[Publications] 尾出友実, 八太啓行, 上村明, 仁国旦三, 白井康之, 田口真海: "電子回路型実時間電力系統シミュレータ用限流器モデルの基礎研究"電気学会電力技術・電力系統技術合同研究会研究会資料. PE-02-11 PSE-02-21. 55-60 (2002)
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[Publications] 山下武健志, 仁田旦三, 上村明, 白井康之, 佐藤晃一: "SMESを用いた電力系統の院展状態の測定に関する研究"電気学会電力技術・電力系統技術合同研究会研究会資料. PE-02-66 PSE-02-76. 37-42 (2002)
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[Publications] 八太啓行, 千葉政邦, 仁田旦三, 白井康之, 田口真海, 持田晃弘: "動作開始電流調整可能な超電導限流器の過渡的動作時の動作開始電流値に関する実験的考察"平成15年電気学会全国大会論文集. 第5分冊. 220-221 (2003)
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[Publications] 尾出友実, 八太啓行, 千葉政邦, 仁田旦三, デパルマドミンゴ: "限流動作開始電流値を調整可能な高温超電導限流器"平成15年電気学会全国大会論文集. 第5分冊. 222-223 (2003)
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[Publications] 坂本織江, 中野秀俊, 仁田旦三, 熊野照久, 亀田秀之, 泉昭文: "高調波電流流入時に低速応型超電導発電機のダンパ円筒に流れる渦電流"平成15年電気学会全国大会論文集. 第5分冊. 293-294 (2003)
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[Publications] 三宅陽一郎, 仁田旦三, 佐藤晃一, 竹田晋二, 白井康之, 石井敏則, 木村博伸, 林秀美: "1kWh/1MWモジュール型SMESによる電力系統の状態把握実験の解析(I)"平成15年電気学会全国大会論文集. 第6分冊. 157-158 (2003)
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[Publications] 中野秀俊, 坂本織江, 仁田旦三, 亀田秀之, 熊野照久, 浅田実: "アナログ型電力系統シミュレータを用いた高調波電流特性実験"平成15年電気学会全国大会論文集. 第6分冊. 259-260 (2003)