2003 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドット集積体と反応拡散アーキテクチャを組み合わせた情報処理デバイスの開拓
Project/Area Number |
14350174
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80250489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 哲也 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00312380)
福井 孝志 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (30240641)
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Keywords | 反応拡散系 / 量子ナノ / 単電子 / 非線形振動 / 散逸構造 / パターン / 自己組織化 / 生命ダイナミクス |
Research Abstract |
「生命ダイナミクスの一端を電子的に模倣するデバイスを創り出す」ための第一歩として、量子ナノ集積構造で生じる物理現象を利用して反応拡散系---化学的な複雑系---の動作を模倣することを提案した。 反応拡散系とは化学反応と物質拡散が混在した非平衡-開放状態の化学系のことをいう。反応拡散系の大きな特徴は「散逸構造---巨視的な秩序を持った物質濃度パターン」を発生することにある。自然界には多くの反応拡散系が存在し、時間的・空間的な秩序とリズムをもった多種多様の散逸構造を生み出している。生命現象も自然界の反応拡散系が生み出した散逸構造の一種である。 反応拡散系は非線形な化学振動子の集合体として近似モデル化できることが知られている。化学系に匹敵する反応拡散LSIを構成するために、本研究では量子ナノデバイスの一種である単電子デバイスのトンネル非線形振動子を二次元配列して電子的な反応拡散系を構成した。近接する振動子の間には、トンネル待ち時間を利用して拡散現象に似た相互作用を発生させた。この反応拡散系のダイナミクスをシミュレーション解析し、化学的な反応拡散系に類似した散逸構造が生じることを示した。すなわち、振動子ノード電位の二次元パターンが秩序ある時空間発展---自己組織化や自己複製---を呈して電子的な擬似生命体のように振る舞うことを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Oya T., Asai T., Fukui T., Amemiya Y.: "A majority-logic device using an irreversible single-electron box"IEEE Transactions on Nanotechnology. 2・1. 15-22 (2003)
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[Publications] Kanazawa Y., Asai T., Amemiya Y.: "Basic circuit design of a neural processor : analog CMOS implementation of spiking neurons and dynamic synapses"Journal of Robotics and Mechatronics. 15・2. 208-219 (2003)
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[Publications] Oya T., Asai T., Amemiya Y.: "Single electron logic device with simple structure"Electronics Letters. 39・13. 965-967 (2003)
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[Publications] 雨宮 好仁: "(解説記事)生命ダイナミクスと次世代集積デバイス"日本神経回路学会誌. 10・2. 77-83 (2003)
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[Publications] Asai T., Kanazawa Y., Amemiya Y.: "A subthreshold MOS neuron circuit based on the Volterra system"IEEE Transactions on Neural Networks. 14・5. 1308-1312 (2003)
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[Publications] Nakada K., Asai T., Amemiya Y.: "An analog central pattern generator for interlimb coordination in quadruped locomotion"IEEE Transactions on Neural Networks. 14・5. 1356-1365 (2003)