2004 Fiscal Year Annual Research Report
Si/SiGe系多重障壁共鳴トンネルダイオードと集積化技術
Project/Area Number |
14350179
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
須田 良幸 国立大学法人東京農工大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (10226582)
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Keywords | SiGe / 共鳴トンネルデバイス / RTD / 高速デバイス / 歪緩和 / 量子井戸 / PVCR / 多重障壁 |
Research Abstract |
Si系の高速デバイスとして期待されるSiGe系共鳴トンネルダイオード(RTD)の性能指数の1つである電流の山対谷比(PVCR)は、2.2以下であったが、研究代表者は、1998年に、理論的予測からSiGe系RTDに初めて電子トンネルと3重障壁を適用し、PVCRを7.6に高めた。その後、RTDの中核技術であり、歪緩和バッファー層について、2層構造バッファーを提案してPVCRを室温下で180に高めることに成功した。さらに、極薄の高濃度層を前記2層構造バッファーと基板との問に挿入する3層構造バッファーを提案した。 本年度は、基本特性の再現性を高めるために、バッファー層の形成原理を詳細に実験的に調べた。その結果、2層構造バッファーでは、1層目が完全歪で成長するが、1層目よりGe濃度の高い2層目を10nm積層しただけで、1層目が緩和することが判った。このとき、1層目は45%緩和し、貫通転位密度は10^5cm^<-2>台と低く、2層目が転位の表出を抑制していることが判った。3層構造バッファーにおいても、2層目までほぼ歪構造で成長し、3層目を10nm積層しただけで、1層目が緩和することが判った。このとき、1層目は68%程度緩和し、貫通転位密度は10^5cm^<-2>台と低く、3層目が転位の表出を抑制していることが判った。3層バッファーを用いることで、緩和率が向上し結晶性に優れたバッファーが得られた。また、PVCRが室温下で100000に達し、III-V系RTDをはるかに凌ぐI-V静特性を得、SiGe系RTDは、デバイスレベルで有望であることが判った。さらに、基板に高濃度基板を用いることで、約30倍に電流密度を高めることができ、また、エッチングによる素子分離が可能であることを確認した。以上、新しいバッファーの形成法の原理を明らかにしてPVCR特性の向上を達成し、また、集積化のための基本要素技術の検討した。
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Research Products
(6 results)