2004 Fiscal Year Annual Research Report
PDPマイクロ放電のレーザートムソン散乱法による研究
Project/Area Number |
14350190
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
内野 喜一郎 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10160285)
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Keywords | プラズマ / ディスプレイ / PDP / 放電 / トムソン散乱 / レーザー / 電子密度 / 電子温度 |
Research Abstract |
本年度は、Ne/Ar混合ガス中の放電を対象として、可視域でのトムソン散乱でPDPマイクロ放電に現れる定在縞の構造を詳細に調べた。また、Ne/Xe混合ガス中の放電に適用可能な赤外波長でのトムソン散乱計測システムの改良を行い、より詳しい電子密度・電子温度の分布の測定を可能とした。 まず、可視域のトムソン散乱システムでは、Ne/Ar(10%)混合ガスで200Torrのガス圧の条件下で定在縞構造をもつプラズマの電子密度n_eと電子温度T_eの分布を電極基板表面より100μmの高さ位置で調べた。その結果、η_eの変動が陽極上で明確に観測された。その変動は、ICCDカメラによる発光分布に対応したものであった。T_eの変動も同時に観測され、その変動の位相はn_eの変動とほぼ逆位相であった。より細かなn_eとT_eの変動と発光分布の変動との関係を調べるため、同様の測定を100Torrのガス圧条件下で行った。その結果は、発光分布の変動が電子温度の変動と位相を同じくしていることを示唆するものであった。 赤外波長(1064nm)のトムソン散乱計測システムについては、ビームダイバージェンスを低く抑えることにより、空間分解能を60μm以下まで改善した結果、電極基板表面より100μmまで近接した点でのトムソン散乱計測が可能となった。Ne/Xe混合ガスでXeの割合を5%とした場合について、詳しいトムソン散乱計測を行った。その結果、電子密度のピーク値は1×10^<20>m^<-3>にも達し、これはNe/Ar(10%)混合ガス中の同様の放電条件下での電子密度より2倍程度高い値となることを示した。
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