2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体・環境モニタリングのための微分分光画像化システム
Project/Area Number |
14350220
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥山 雅則 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60029569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 実 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20294168)
山下 馨 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (40263230)
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Keywords | スペクトル画像 / 微分分光 / 差分画像 / 特徴抽出 / 変調撮像 |
Research Abstract |
生体・環境モニタリングのための微分分光画像化システムの開発研究のために、波長微分原理の理論的考察および画像撮像系の設計・試作を行い以下のように研究をすすめた。 まず、波長可変干渉フィルタの透過特性と撮像系の光学的特性の実測値を用いて波長微分動作のシミュレーションを行なった。フィルタの透過特性の実測値と撮像素子の感度特性を用いて、入射光に対するトータルの光学系としての応答を数値計算し、実際の撮影に用いた対象物の反射スペクトルに対して得られるであろう撮像素子からの出力信号の値を求めた。この値を用いて対象物の波長微分相当画像を再構成し、実際の波長微分画像との比較を行った。その結果、シミュレーションによる再構成画像は実撮影画像とよく一致することが分かった。これにより、シミュレーション結果をフィルタ特性にフィードバックすることにより、対象物から抽出したい特徴に合せてフィルタの最適な設計を行うことが可能になると考えられる。 また、波長変調と並んで蛍光変調および偏光変調による差分撮像を試み、スペクトル情報だけからでは得られない画像抽出が可能であることを確認した。蛍光変調撮像では、対象物が蛍光を発している画像と通常画像の差分をとることにより、通常の昼光下の環境でも微弱な蛍光をとらえることに成功した。偏光変調差分撮像では、ガラス面や水面等の画像から反射画像成分と透過画像成分を選択的に抽出することが可能である。これらを波長微分と組み合わせることにより、農作物や森林の生育状態や酸性雨被害等の画像化等の環境モニタリングにおいて、更に詳細な特徴抽出が可能になると考えられる。
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[Publications] 山下馨, 木村貴之, 奥山雅則, 木村一貴, 濱川圭弘: "蛍光・偏光・波長変調を用いた差分撮像"電気学会フィジカルセンサ研究科資料. PHS-02-8. 7-10 (2002)